2012年11月22日

麩ってこんなにすごい!

ちょっと前、川端五条の半兵衛麩の話をブログにアップして、要予約だけれどここの麩をふんだんにつかったむしやしないが食べたいと書いたら、ぽん様が「こんなんありまっせ。」と耳打ちしてくれはった。(というか宣伝[E:delicious])


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おばんざい体験の「麩」編、しかもお値打ちなお値段で!

これはいかずばなるまい、と夢風庵様とつれもって、おばんざい京室・DECO庵さんへ。


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寺町も今出川以北はほとんど行ったことがないけれど、寺町の名にふさわしく、お寺が軒を連ねている感あり。
こんなとこやったんか。
上御霊神社も近い。



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こちらDECO庵さん。

主宰のDECOさんはかつて木屋町でおばんざいのお店をしてはったそうで、今はこちらでおばんざい教室ならぬ京室をひらいておられます。
木屋町時代からの接点で、ぽん様も今回の企画にはかんでおられるんですが、この日はoff日で残念。

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まずは麩とはなにか?どうやってつくるか?歴史は?
というレクチャーを洛中の創業400年という某・老舗麩屋さんのお嬢様からうける。

400年の歴史を背負っておられる方ってオーラがちがうわあ、、、[E:coldsweats02]


小麦粉からデンプンを洗い流したあとのグルテンに餅粉をくわえて蒸して作るのが「生麩」。
小麦粉を加えて焼いてつくるのが「焼麩」。


実は関西にくるまで、私は麩といえば焼麩しかしらなんだ。
はじめて食べた生麩は麩饅頭で、その感激ったらなかった。
これこそ京の食べ物じゃ〜〜[E:happy02]と。

いまでこそ、生麩を自分で買ったりするけれど、せいぜいお汁にいれるくらいしか使わなかったのよね。

ところが今回、生麩、焼麩をつかって、こんな料理のヴァリエーションができるなんて、目からウロコ、ほんまにオドロキどしたわ。







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ここでDECOさんの一手間かけた(ここが大事)麩料理が登場!

うわ〜〜[E:lovely]



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生麩の揚げたの、たいたん、和えたの、焼いたの、、、、、

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鶏肉で巻いたのは胡麻麩、、、、


しかも麩の種類も粟麩、胡麻麩、よもぎ麩、利休麩(きくらげを練り込んで揚げた物)、さがら麩(なにも混ぜていない生麩)、花麩、、、、、こんなにあるんだ!


それにDECOさんの味付けはしっかりしていて(私好みで)その一手間のおかげでほんとにおいしかった[E:happy02]
同じレシピでも私はこうは作れない。

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白味噌のお汁にも生麩。
自家製のどぼ漬け(ぬか漬け)がまたおいしくて、しあわせでした。

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この豪華箱膳をいただきながら、お嬢様の麩料理デモンストレーションを拝見。


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一つはよもぎ麩の田楽、そしてまたまたビックリの粟麩のチーズ焼き。
麩ってチーズにも合うんだ。

とどめがこちら。


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お麩レンチトースト!

焼麩を切って、卵+牛乳にひたしてしとらせたものを軽くトースト。
とてもやさしい味と不思議なテクスチャー。

高タンパクでしかも低カロリーというのがダイエッターにはなかせるし、思うに赤ちゃんの離乳食や、高齢者にぴったりではないか。
正月帰省する孫(赤子)に食べさせてやろう、とはやくも胸算段。


その浸す前の焼麩をみせてもらう。


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さすが、老舗の焼麩はみっちりもっちり。
生でも食べられます。

麩といえば幼少のみぎり、後楽園の鯉にエサとして与えていた棒状麩のイメージだったのですが、まるで別物ですわ。
(あたりまえか)


あと、生麩は包丁や、まいてあるシートにぺたぺたくっついて、切りにくい、という話をしたら、お嬢様曰く、水の中でシートは剥がし、麩自体を水にたっぷり濡らして切ればよい、とのこと。
生麩ってべちょべちょにぬらしてもいいものだったんだ[E:coldsweats02]

残ったら冷凍も可、ということで、こんな便利な食材であったとは。

これからは食卓にどんどん麩を登場させよう。

そして、購入したのがこちらの本でありました。
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え?
こんな料理が麩でできるの?
と目からウロコはまちがいありません。
オススメ!
posted by しぇる at 00:28| Comment(16) | TrackBack(0) | 京のグルメ | 更新情報をチェックする

2012年11月19日

弘道館月釜〜開炉・宗旦忌にちなんで

本日、11月19日は宗旦忌であります。

祖父である利休が賜死したため、時の権力にさからわぬよう、ひたすら地味に貧しく生き抜いたことから「乞食宗旦」ともよばれますが、それゆえに利休の「侘び茶」を身を以て体現した人でもあったと思います。

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弘道館の月釜の日、御所に車をとめたらあたりは黄色い絨毯がしきつめられていました。
きれいだけど、タイヤがちょっとスリップ[E:wobbly]



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日ざしも影が長くなって、あと一月ほどで冬至なんだな、と実感。


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待合の障子の影も淡々と柔らかい。
このほの暗さ、ほの明るさが障子の功徳、日本建築は自然の美しさとうまく調和していて、やはりいいなあ。


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待合へご案内がきて、、




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本日は露地を通っての席入りです。

いつもの広間でまず開炉祝いの善哉をいただきます。




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珠光の禅の師であった一休禅師が、大徳寺の住職からお餅の入った小豆汁をごちそうになり「善哉此汁(よきかなこのしる)」と言ったことから善哉。

珠光は侘び茶の嚆矢ですから、そういう意味で、善哉という食べ物はお茶の世界ではとても重い物なのです。



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おお!
白い善哉!

この日のために特注の粟餅とめずらしい白い小豆でつくられた白善哉です。

ありがたや、ありがたや。


さて、ここで太田さんからクエスチョン。

善哉には食べ好いように黒文字の他に赤杉箸が添えられますが、裏千家ではこれは横から見ると長い平行四辺形。
では横から見て台形の杉箸は何流でしょう?



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正解)表千家。

ひねりすぎて藪内とか織部流とか言って間違えましたが、正解者には北野天満宮・御土居の入場券が。
残念![E:sad]



座敷の掛け物は宗旦忌にちなんで、宗旦狐の画賛。

ただし、杖のような物をもっているので、ほんとうはお能の「釣り狐」の白蔵主ではないかと私はにらんでいる[E:coldsweats01]

まあ、鼠の天ぷらを食べて正体を現してしまうところは同じだけれどね。

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これは10月ごろに撮った相国寺にある宗旦稲荷の写真。

宗旦に化け、本物と見分けが付かないくらい上手な点前をし、相国寺の財政難も救ったという逸話があって、いまでも親しみをこめて相国寺に祀られています。


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相国寺近くの豆腐屋の危機をある時すくった宗旦狐ですが、御礼に豆腐屋からもらった鼠の天ぷらを食べ、神通力を失い、犬に追いかけられて命を落としたとか。

そのよけいなことをした豆腐屋さんの子孫がいまでも寺町今出川あたりでまだ豆腐屋をやっているそうですよ。


もう一つの床の掛け物は狩野探幽の豪快シンプルな墨絵の火珠。
11月、京都の各神社では護摩木を焚きあげる、お火焚きがおこなわれますので、火珠はそのシンボルなんです。

(ちなみに京都では紅白のお火焚き饅頭とおこしを食するそうですが、私はおこしの方はまだ未体験です。)

生活に窮していた宗旦は、大徳寺の僧侶に字を書いてもらってはそれを売って生計を立てていたそうですが、探幽とも親交があり、その絵がいくらで売れた、という消息も残っているとか。

自分は生涯仕官をしませんでしたが、3人の息子を(長男は勘当された)それぞれ有力大名に仕官させるなど、意外とちゃっかりしてますね。
それでもだれからも憎まれなかったのは宗旦の人柄なのでしょう。


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これは濃茶席の花ですが、これとは別に広間には花器にいけられた椿と、その敷板の上にぽとんと椿のつぼみが置かれています。

これも宗旦にちなんだ宗旦椿の趣向。


ある寺の和尚さんが、寺の庭に咲いた「妙蓮寺」という銘のある椿の一枝を、小僧に持たせて宗旦のもとへ届けさせたそうです。椿の花は、とかく落ちやすいので、気をつけていたものの小僧は、途中で花を落としてしまった。

宗旦は、小僧の粗相をとがめず「今日庵」に招き入れ、利休のかたみの「園城寺」の花入に、花のない枝を投げ入れ、その下に小僧があやまって落とした椿の花を置いてともに茶を飲んだ、、という逸話。






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濃茶席の軸は吉田兼好の「神無月(太陽暦でいまごろ)云々(読めなかった、、、)」という歌。
すごいものが次々でてきますねえ、弘道館。


茶器は宗旦の小棗。

高麗刷毛目茶碗で濃茶、いただきました。


宗旦の人柄に思いを馳せつつ、帰りのよりみち、例によってとらやさんの一条菓寮。

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お火焚き饅頭ならぬ、ほかほかの虎屋饅頭をいただく。

ほっ[E:japanesetea]
posted by しぇる at 22:49| Comment(4) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年11月18日

錦繍・京洛の夜を徘徊す

錦繍の頃、京洛はあちこちの庭園でライトアップ。

昼間忙しいこの身にはなんとありがたい。

仕事を終えたあと、家に帰って猫の世話もそこそこに夜の京洛へくりだそう。







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家からチャリで5分の南禅寺・天授庵。
紅葉の名所。

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応仁の乱(京都人がいうところの先の大戦[E:coldsweats01])で失われた天授庵を再建寄進したのは細川幽斎。
よって、この細川の九曜星紋も納得。

(近くには細川別邸もあるし)



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書院より。



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人の姿はあっても、ここではみんな言葉を失うのか、静かです。
秋の夜の空気の底。または海の底のような。
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書院にかざられた花。
このツクバネのような、小柿のような実は何の実だろ?
(nageire様より、つくばね柿 または 老鴉(ろうあ)柿とお知らせいただきました)



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本堂の前の庭へまわる。


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おお!
お見事!


南禅寺の西門から暗い道にチャリを走らせれば、、、


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ごぞんじ永観堂・禅林寺。



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市中のかなり離れた場所からでも眺められる多宝塔を真下からみあげる。

ここはさすがに人が多く、(ウルサイ)修学旅行生もいて、ちょっと落ち着かない。
時間選択を間違えたか。(閉門間際がよろしい)





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それでも紅葉は美しいのだ。

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爪紅(つまぐれ)。

たおやかな白い指の先の紅いろを連想させる。
なまめかしい。


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紅葉のトンネルをとおりぬけ、阿弥陀堂へ。

「永観、遅し」




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(多分)シダレモミジ。



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モミジだけでなく、苔庭にふりしく銀杏も美しいのだ。

  

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*  *  *  intermission *  *  *


さて、きょうもきょうとて雨をおして夜くり出せば、雨もあがって空には三日の月。



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町家の格子からもれるあたたかい灯り。

これがたまらなく好き。

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西陣・浄福寺通り大黒町、石畳の町。(昼間の景色はこちらからどうぞ)



おりしも雨に濡れた石畳は夜に美しさを増す。


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あちらも、、、

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こちらも。


実はこれは大黒町と上七軒を舞台に静かにおこなわれるイベント都ライト
同志社、造形芸術大の学生が地域の協力を得ておこなってる「町家から漏れる暮らしの灯り」。



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なにか催しがあるわけではなく、ただ静かに町家から漏れる灯りを楽しむ。
その家の中の普段の暮らしに思いをはせる。

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道の境界に受付があって、こんな提灯を貸してくれる。
またこれが螢の光より淡い光で、なんてそぞろ歩きに似つかわしい。



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格子の向こうに晴れ着。

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暗い道を歩くとき、よそのおうちの窓の明かりがどんなに心をあたためるかということを、思い出した。







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それでも西陣界隈の町家は住人がいないので、真っ暗で明かり一つ見えない家が多く見受けられる。
残念なことだが、数年以内には更地になるところも多いだろう。

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浄福寺通りの北の端から、GPSだけを頼りに入り組んだ路地をぬけて上七軒へ。

こんなことでもなければ、通ることなどないだろう細い暗い道を行くのは少しスリリングだが、わくわくもする。


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北野天満宮。


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上七軒を南下してバス停へ。

夜の徘徊、きょうはこれにて終了。
posted by しぇる at 00:06| Comment(12) | TrackBack(0) | 京都めぐり2012 | 更新情報をチェックする