2012年10月11日

秋草花の庭・詩仙堂〜金福寺

学生時代に一度行ったきりの、一乗寺なる詩仙堂へ。

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なぜか?
先日から煎茶にちょっとかぶれていて、煎茶つながりで、江戸初期の文人茶人、石川丈山を思い出したの。



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詩仙堂はその丈山の終の棲家、隠棲所。

文人らしい簡素な門がまえ。



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紅葉には早く、静かな境内。



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禅寺の坐禅堂によくかかっている板木。
時間を知らせたり行事を告げる物。

「生死事大」


「光陰可惜 無常迅速時人不待」と続きます。
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この座敷からの眺めがよいですね。
とても市中とは思えない。


さて、石川丈山の人となり、詩仙堂の由来については成書にゆだねることにして、ここでは静かに秋の庭を楽しもう。



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赤の水引草。

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詩仙堂名物、鹿威し。



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ちょうどこの白い花が盛りで、たくさん咲いている。


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試験管を洗う細めのブラシみたいでかわいい。
しらべてみたら「オオバショウマ」(大葉升麻)。


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紫陽花のドライフラワーかと思ったが、どうやら秋咲きのアジサイの仲間らしい。


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籬の菊。

採菊東籬下 悠然見南山 (陶淵明)



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酔芙蓉の大きな木。
飲むほどに赤くなるよっぱらい、時間が経つほどに紅に色づく花びら。



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秋の七草、その名もゆかし、藤袴。



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庭にある茶室、残月軒。


かすかに見える残月の襖絵。
薄野から出て薄の原に沈む、武蔵野の月か。


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秋の空を背に、大株の尾花。



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池には魚影。


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人影はなく。



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庭の白砂は朝、きれいに掃き清められていたらしい。
踏んでよいものかとしばし悩む。



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青柿はまだ色づく前。



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ほんのり色づくはクチナシの実。



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お!
見事な虎石!





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庭を一巡りしてふと見上げると、詩仙堂のシンボル、嘯月楼 。

興が乗れば、即興で漢詩を作り、ここで月に嘯く、高歌放吟す。


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あ〜、そこの君、君。

庭を眺めてなにか一句できたかね?
漢詩はさすがに無理だろう。

私も五七五や五七五七七をひねってみたが、駄句ばかり。





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秋の庭を堪能して詩仙堂をあとにする。
隣接する一軒だけあるお土産物屋さんも、良い感じにひなびている。(左京区なのに。左京区だから?)

そのまま学生時代にたどった道を踏襲して、近くの金福寺へ。





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ややこしい道だから、うまくたどり着ければおなぐさみ。


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この寺の住職と親しかった芭蕉はよくここを訪れたそうで、彼の使っていた庵を「芭蕉庵」と名付ける。



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小高いところにある芭蕉庵からは洛中がのぞめる。


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芭蕉をしたった与謝蕪村の墓もここにあるほど、芭蕉ゆかりの寺なのだけれど、私的には村山たか女の寺。



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NHK大河ドラマの第一作、「花の生涯」で村山たかを演じたのは最近亡くなられた淡島千景さん。

え?しぇるさんそんな歳なん?
と思われた方も[E:coldsweats01](まあ、ええ歳ですが、なにか)

いえいえ、まだまだ幼少のみぎりで、話の内容はまったく記憶にありません。
誰が主人公だったのかさえ、当時はわからなかった。

でも最終回、捕縛されて三日間、三条河原で晒し者にされたときの淡島さんの姿が幼心にインパクトがあって、記憶に残っている。

晒し者といえば、だれかは石を投げたりののしったりするもの。
ところが、たか女のあまりの美しさ、誇り高さに、みとれるばかりで、だれも悪さをしなかったとか。



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後に大学生になって、舟橋聖一の原作を読んで、あれがどういう場面だったのか、やっと理解した次第。

井伊直弼、その懐刀の長野 主膳に愛され、隠密として活躍し、捕えられたのちこの寺で尼として生涯を終えた村山たか。



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たか女が寄進した弁天堂。
弁天様は彼女をほうふつとさせる美しさでありました。


posted by しぇる at 23:20| Comment(6) | TrackBack(0) | 京都めぐり2012 | 更新情報をチェックする

高麗美術館〜上賀茂神社〜霜月さん

高麗美術館は北山通りよりもさらに北。

こぢんまりとした私設美術館ですが、お気に入りでよくふらっと行きます。

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11月までの展示は「朝鮮王朝の意匠と装身具」。

真剣に見たことはないのですが(あ、「ファン・ジニ」はしっかり見たか[E:coldsweats01])韓国時代劇TVの衣裳の世界かな。

平安時代の十二単の韓国版のような衣裳とか、いちおう女子なので、とても興味があります。
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それにキセルのような形の長くて大きな簪(ピニョというらしい)を一本さしているのもTVで見て、あれはどうやって髪をまとめているのだろう、、、と思っていましたが、そういう簪も展示されています。

大きさ、材質、色は、身分、年齢、季節によって細かく使い分けがされていたよう。
貴族に当たる両班(ヤンバン)の妻は翡翠、金、玉など。庶民の妻は角、木など。





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女子の帯飾りにあたるのがノリゲ。
これもきれいです。


不老長寿などの幸福の願いがこめられていたそうで、房は1本〜3本のものがあります。

さらに香袋や護身用の銀粧刀、針入れ、墨壺、小筆などの飾りや、伝統組紐メドゥブなどで飾り付け。

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あ、そういえばうちにもあったわ。
李朝家具を買ったときにおまけでくれたもの。


ちなみに蝶は韓国では吉祥紋とされるようで、ノリゲのみでなく、簪、衣裳、家具などにもよく登場します。


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さて、ここから御薗橋まではすぐ、御薗橋をわたればもう上賀茂神社です。


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上賀茂神社は駐車場が広くて安いので、行きやすいというか、結構来てますね。





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でも私が来るときはたいてい神馬くん、お留守。



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境内を流れる御手洗川のほとりで、流水の音を聞きながらほっとなごむのもいいですよ。
水の側っていいですよね。



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同じことを考えている人は多いので、三々五々みなさん川辺にすわって写生をされたり、、、、

手作り市の時にはこのあたりまでびっしりお店が並ぶんです。


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川べりにさく草花をみるのも楽しみのひとつですが、この日はこんなものを発見。


どうみてもブナシメジ。
食せるかな?


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このあたりは五山送りの一つ、船形山が近い。



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ここまできたら、霜月さんにもいかねば。


季節の干琥珀がとっても上品で美味しいお店です。


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今の季節は紫蘇琥珀と、秋やまじ。
秋やまじは柿の干琥珀。柚子の香りもちょっぴり。

美味しすぎて写真に撮るまもなく完食したのはこちらの栗餅でした。

餡の分量、甘みがとても上品で、いままで食していた栗餅はなんだったのか?と思うほど。

これで150円なんて、なんてスバラシイんだ!
posted by しぇる at 20:17| Comment(6) | TrackBack(0) | 京都めぐり2012 | 更新情報をチェックする

2012年09月30日

妙心寺・退蔵院〜仲秋の名月を愛でる観月茶会

えらい仲秋の名月になってしまいました。


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2日前は十三夜の月が「秋月揚明輝(陶淵明)」の様子でしたのにね。

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昨日は残念なことに月こそみえない小雨模様でしたが、台風が来る前でしたので、なんとかいってきました。

妙心寺の塔頭退蔵院の「仲秋の名月を愛でる観月茶会」。
まあ、観月、、、は当然ながら無理でしたけれどね。



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退蔵院は1404年開山、方丈は桃山時代の建物(重文)という歴史のある塔頭です。
年間を通じていろんな催しをされていて、この日は遠方からお越しの方も多いようで。



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その方丈の枯山水(狩野元信・作)を背景に、この黄色い丸い菊がお月様のかわり。

お寺の副住職さんのお話しをきいてから、お茶席の順番がくるまで三々五々、方丈のあちこちで待ちます。


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退蔵院で一番有名なのはこの紙本墨画淡彩瓢鮎図(ひょうねんず:ちなみに鮎はアユでなく、中国ではこれがナマズという字)・国宝。

もちろんレプリカ。
(本物は京都国立博物館に寄託されています。)

室町時代、水墨画の先駆者といわれる相国寺の僧、如拙の作といわれ、「ひょうたんでナマズを押さえる」という禅の公案を描いたもの。

どうやって小さい瓢箪の中にぬるぬるするナマズを入れることができるだろうか?
もちろん、公案ですから、そのままの解答はありません。

画面上半には、大岳周崇の序と玉畹梵芳など30人の禅僧による画賛、すなわち禅僧によるそれぞれの答えが書かれています。

よめないんですけれど、珍答、奇答もあるそうです。


かつてここで参禅した宮本武蔵はこの瓢鮎図がとても心に残ったようで、自分の刀の鍔に瓢箪・鯰をデザインしたものが残っているとか。

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これは「袴腰の門」といわれる門ですが、写真では見えないですね[E:coldsweats01]
本当は袴の後ろみたいに破風が直線的な台形をしているのですが。


それにしても、お寺の夜の風景、、、って好きだなあ。



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茶会は広間でおこなわれましたが、出てきたお菓子はこちらの名物(?)鯰まんじゅう。

懐紙にもナマズ!

結構なお点前にて、お茶を一服頂戴す。

足がしびれたらしく「自分の趣味にヒトをまきこむな!」と同伴した帰省中の息子に文句言われつつ。[E:coldsweats01]


さて、おしまいの後、「この広間のどこかに隠し茶室があるのですが、どこかわかりますか?」との半東さんの問い。

みたところどこにもそれらしき物は、、、、

と思っているとなんと床の間のすぐ横の壁がするすると開いて、なかになんと水屋と二畳台目の小間の茶室(「囲いの席」)が[E:coldsweats02]

参禅を第一主義とする妙心寺では、茶の道が修行の妨げになると禁じた時代があったところ、茶の湯に執心のあまり、第六世千山和尚が密かに作ったのだそうです。

それだけ茶の湯はかつて魅力があったのですね。



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お茶をいただいたあとはお楽しみの懐石を。(会席か?)

おいしかったですよ。



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途中でなんと、琴と尺八の生演奏も。


琴もよいですね。

普段はオーボエふいたり西洋クラシックファンのダンナですが、リタイヤ後は三味線をやろうかと言っておるのです。
三味線は指を痛めそうだし、琴もいいかも[E:coldsweats01]なんて言っておりました。




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昭和の名庭、余香苑の夜の風情を楽しみつつ会はおひらきになりました。

まあ、名月はほんとうに残念でしたけれど。
posted by しぇる at 19:01| Comment(18) | TrackBack(0) | 京都めぐり2012 | 更新情報をチェックする
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