2012年10月03日

平安神宮・煎茶献茶祭と茶会 2012

毎年9月最後の日曜日、平安神宮では煎茶道六流派家元が毎年輪番制で献茶奉祀されます。


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ほんご近所の平安神宮ですので、台風の大雨をおしておでかけ。(←物好き)

ガッツで和服をお召しの方もたくさんおられました[E:coldsweats02]



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献茶会には一般は参加できませんが、そのあと、境内〜神苑の中あちこちにしつらえられた茶席に入ることができるのです。

普段入れないような建物、たとえば貴賓館とか勅使館などにも席が。

券は2000円で2席までなので、本来ならばどこへいくか吟味して2席を選ぶところ、はじめてゆえ事情がよくわからず2席とも立礼席をチョイスしてしまいました。
できれば一方は座敷にしたかった!→来年への課題。







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こちらは皇風煎茶禮式の遙拝殿の席。

神苑の出口を入って(出口からはいるのもなんですが、、、[E:coldsweats01])すぐの場所です。

雨にうたれる神苑の風情を楽しみながら(このときはまだ台風もあまりひどくなかった)煎茶のお点前をみて、いただきます。



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桔梗の練り切り。

たしか、煎茶では二服でるので、お菓子は1煎目をいただいてから食べるのでしたね?


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2煎目は急須ごとでてきました。
この染付は村田森・作くさい。

お点前は茶の湯と大きく道具も異なるので、ものめずらしく拝見。

煎茶道は茶の湯に比べて、江戸時代の文人墨客が愛しただけあって、作法にそれほどうるさくなく、自由闊達なものであると聞きます。

ゆえに、茶の湯以上にいろんな流派があるんですね。
100以上の流派があるとも聞きます。


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そこまでになったら、もうどうやって煎れても大丈夫(どこかの流派には適う?)なんじゃないかと思うけれど。[E:coldsweats01]



それでもせめて茶席での作法、簡単な点前などは知識としてしっておきたいと思うので、近々短期間のお稽古にいってみよう、と思っています。

期間限定、それ以上は深入りする時間が物理的にどうしても足りないので。






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こちらは額殿。
境内に入ってすぐ左手。

学生の頃、ここで甘酒接待のアルバイトをしたことがあるんですが、またこんなことで来ようとは。


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ここは小川流のお席。


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中はこんな感じです。

ここの流派はなんとびっくり!
小さめの茶碗にお茶がほんの数滴しか入っていないのです。

最初玉露かと思いましたが、小川流の特徴らしいです。

その数滴を舌の上にのせたら、ふわっと広がるお茶の凝縮されたエッセンス。

のどまでは届きません。
鼻腔で味わう、、、という感じかな。


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お菓子をいただいて、2煎目も数滴。

それでもお菓子の甘さを迎え撃つに十分な濃厚さ。

いや、これは初体験。



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おしまいの後、道具を拝見。
煎茶の道具はどれもこぶりでかわいいな。

食籠の中にでもワンセットごそっと入ってしまいそうなので、セットして常に手元に置いておけそう。






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テーブルに飾られた茶の花。(ツバキ科)

この季節に花が咲くのですねえ。


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だんだん雨が激しくなってきた神苑、泰平閣(橋殿)。

いつもは茶の湯の月釜がおこなわれる澄心亭でも席があったようです。



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こちらも座敷の席。(多分勅使館)

来年はここをねらおう!

たぶんそのころにはもう少し煎茶道を知っていると思うし、、、、(かな?)


posted by しぇる at 20:18| Comment(8) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年10月01日

野村美術館講演会〜「良い茶碗」とは

野村美術館の講演会も後半が始まりました。

本日は学芸部長の谷晃先生じきじきのお話。

現在公開中の「茶の湯の名碗展」にちなんだ「良い茶碗とは」という講演でした。


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先日私も見た泉屋博古館の茶道具展で、向付としてでていた染付の器にほぼそっくりなものが、野村では茶碗として伝わっている、ということから、茶碗と向付の違いは何だろう、、、というお話から。

「山上宗二記」曰く、侘び数寄の茶道具の三要素、「なり・ころ・ようす」で茶碗をみてみると、、、

1)なり・・・用途にかなったもの(合目的性)
   茶をたて、のむのにあう形である

2)ころ・・・大きさ、比率、重さ(合審美性)
   例えば、
     茶碗の口径:高さ:高台の径=1:0,5:<0.5
   の比率の茶碗が圧倒的に多い。(これは茶入にもいえる)

3)ようす・・・茶に合う雰囲気(合精神性)

   枯高、静寂、幽玄、、、など。



これらの3要素を満たして初めて鑑賞陶器とのちがいが明確になると。



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(東博展示中の三島)



1)2)(なり ころ)では冒頭の茶碗は、茶碗と向付の両方のバリエーションの重なるところ、(数学で言えば積集合の部分)にあるといえます。


3)のようす、、、ではどうでしょう。
これは受け取り方に個人差があるかもしれませんね。


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「茶道の哲学」で久松真一があげた7つの茶道文化の性格、
1)不均斉 2)簡素 3)枯高 4)自然(じねん)5)幽玄 6)脱俗 7)静寂

これらは、そのまま侘び数寄の茶道具の基準としてあてはまるといいます。
あくまで侘び数寄。唐物はあてはまらない。

(ああっ!また「茶道の哲学」読み直さねば!座右の書なのに最近とんとご無沙汰で、、、)



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ほかに良い茶碗の条件として、谷先生が考えられるのは、

1)口作りがよいこと・・・口触りがよい

2)磁器はいれない・・・茶の色とのバランスがあわない、怜悧な感じがぬくもりがなくあわない

3)好み・・・美意識は時代とともに変化する。


お話しを聞いていて、個人的に忌憚のないご意見を聞きたかったのは、当代楽さんの茶碗について。

あれは、なり(どこからのんでよいかわからないほどの不整形)、ころ、口作り(唇が切れそうなエッジ)どれをとっても基準にあわないし[E:coldsweats01]あはは。







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美意識・茶道具の時代変化のおはなしはおもしろかったので、備忘録としてちょっと書いておきます。

1)唐物主体の時代・・・16世紀中頃まで

天目、染付、赤絵、青磁など。
いわゆる会所飾りだったものが、応仁の乱で市中に流れ出したため市井の目にとまるようになったが、16世紀後半に消えていった。
次の時代の侘び数寄の道具に押し流されるように、その消え方は急激であった。

2)侘び数寄の時代・・・16世紀後半

古窯(信楽、備前など)、高麗から世紀末になると楽、瀬戸、美濃、織部、志野などへ。

いわずとしれた利休の時代。
侘び数寄の茶にかなう数寄道具。

高麗の井戸茶碗は初めて茶会記に登場するのは1578年と、意外に新しい。
(井戸茶碗の来歴に関しては、朝鮮の民衆が普段使いにしていた茶碗、という従来説は否定的)

3)茶匠の時代・・・17世紀以降

織部、遠州、石州、宗和、宗旦などそれぞれ独自の茶の湯論を展開した時代。
このころ、千家はそれほどブランドではなかった。

18世紀に入って家元制度が確立。
千家がブランドとして成立。
流派の差別化として、家元の好み物がつくられるようになった。

4)近代財閥数寄者の時代・・・19世紀

ヨーロッパの物の見立てや、大名好みの唐物、侘び数寄道具、家元の好み、本人の好み、、、と、とにかくごった煮的ごちゃまぜ。

なので彼らのコレクションは確かに美術館向きだし、美術館を作ったわけね。
納得。

5)女性の時代・・・戦後

なぜ茶道が女性のものになったか、という本を以前拝読。
(内容うろおぼえ)
現代は女性好みの色絵や、優美なものが好まれる。
確かに茶碗のカタログをみても、そうですね。

実は私も、薄茶器は渋い真塗りの利休型棗よりも実は蒔絵のものが好きなんですけれど、茶碗は色絵よりも、高麗茶碗のようなわびたものが好きだなあ。
でも、たまに大迫力の渋い高麗茶碗をみると、これは女性の手にはあまるな、、と感じることが。
こういうのは渋い男性が十徳を着て扱うのが似つかわしいような気がします。


茶の湯が男性の手に奪還[E:coldsweats01]される日はくるのでしょうかね。




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(岡崎白川のサギ)
posted by しぇる at 23:00| Comment(4) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年09月26日

峯風庵で懐石料理教室〜富田林じない町

こちらは天王寺から近鉄で25分、富田林の駅をおりて歩けばすぐにタイムスリップできるじない(寺内)町

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奈良・橿原市の江戸の町今井町には規模的に少しおくれるものの、こちらもなかなかすばらしい街並みが残っています。

こんな楽しい♪町のご紹介はまた後日、今回はこのじない町にある築140年以上の町家で、茶事・茶会のサロンである峯風庵さんへ、茶懐石料理教室のおはなしを。

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庵主さんは、茶道を探求し、人間力開発プログラムとしての茶道の普及に努めることをライフワークとしている、と言い切られる方。
お茶への思いのその強さ、深さに圧倒されます。

じない町のみならず、千里や塚口などにもでかけて茶事、茶会、懐石料理教室などをされるなど、すごいバイタリティをもつ魅力的な方なんです。

実は昨年末、某所にて初めてお目にかかりまして、お話しをうかがい、「懐石料理教室、是非いきます!」、、、と言ったものの、ここまでくるのに4分の3年もかかっちゃった。


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じない町の古い街並みをすぎてたどりついた峯風庵と庵主さんは、見てすぐに入居を決めたという運命的なめぐりあいだったとか。


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こちらはメインのお茶室。
囲炉裏の炉に、江戸時代の古い屋敷の重厚な表戸を天板にしたテーブル。
正座しなくてよい、足にやさしい茶室です。



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こんな垂涎の階段箪笥もあるんですよ〜[E:lovely]


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欄間も江戸時代のもの?

漆喰の壁も江戸時代からの生活の空気を吸ってくすんでいます。渋い!



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坪庭もあって、厠は本来戸外だったもよう。
トイレは設備もとってもレトロでした。


さてさて、本日の懐石の献立は、少し季節を早めにさきどりした10月、名残の茶事の懐石です。

最初に庵主さんから簡単な献立の説明を聞いてすぐに実習。

細かい役割分担を決めてはいないのに、自分から用事をみつけては、さっさとてきぱきと、ぶつかることなく7名がスムーズに動く様は、さすがにみなさん、ベテランのお茶人さん!と感動いたしました。





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私と言えば、一応主婦歴も長いので、まあ、それなにり料理はできますが、実は基本的な事がわかっていなかったことに気づいたりして、、、、
人生死ぬまで勉強ですわ。
でも、小器用なので[E:coldsweats01]、悪目立ちせず、さりげに無難にがんばったかしら。


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庵主さんは、主菓子も含め10種類の献立同時進行を、あっちへいって指導、こっちへきて注意、、、とこれぞ八面六臂。
どこにあんな体力気力バイタリティがあるのでしょう[E:coldsweats02]







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これは実際の茶事・懐石の配膳に便利そうな棚。

こういうのがあれば、空間を上手に使えそうですね。


約1時間半、さあ!ついに完成!


ではご紹介しましょう。
ヨダレをたらしながら見てください[E:happy02]

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飯・汁(さつま芋)・向付。

向付はしめ鯖のおろし和え。おろしは葡萄の粗みじん、わさびなどで味付け

普通茶懐石に、背の青い魚は使わないのですが、名残の時期に限って格を落とす、という意味で使われ、和え物にすることが多いのだそうです。

葡萄の粗みじんがほんのり甘さをそえて、こんな意外な組み合わせもあるのね、と感心。

この写真ではわかりませんが、今回向付の器はお客さんごとに違うものをばらばらに使っています。
本来向付器は同じ物を使うのですが、名残の季節ということで、あえてわびたものをかき集めました、という風情で。

この名残の季節はやつれ風炉や、藁灰など一番侘びた物が使われる季節ですので、私の例の自分で(ぶさいくに)金繕いをした茶碗も、だせるかな〜、、、っと[E:coldsweats01]

汁は白味噌多目の赤味噌少々。
寒くなるにつれて白味噌は多目に、逆に夏場は赤味噌、八丁味噌など。






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煮物碗。

菊花豆腐。
中に(私がみじん切りにした)海老が入っています。
お出汁は素材を生かすため、ごく薄め。

飾りの三度豆、縦に半分に切ってあります。
こんな切り方、いままでしたことがありません。
一手間でこんなに美しくなるのね。

それから画像が行方不明、、、の焼物は戻り鰹の雉焼。

名残の季節はやはり戻り鰹。
(春は登り鰹)



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強肴(しいざかな)

昆布巻き・さつま芋・三度豆。
彩りよく。

強肴のコンセプトは、本来材料の余り物を使うこと。
あまり豪華な強肴はお腹にもたれて、お茶を飲めなくなってしまいます。
(時々そういうのをみかけますが)

昆布巻きはコンニャク、ゴボウ、干し椎茸入り。
実は私、初めて昆布巻きを巻き巻きしましたの。
あれは買うものだと思っていたので。
でも、意外と簡単なのにはびっくり。

炊くのに少し時間がかかるけれど。





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小吸い物は茗荷の細切り。
茗荷の上手な皮のむき方をおしえていただく。

ちなみに小吸い物椀は出張中(?)とのことで、小さい椀を使っています。


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八寸。

秋刀魚の甘露煮芥子まぶし・松茸

普通八寸は杉の木地を使いますが、名残の頃にはそれももう古くなりました、ということで陶器などを使うそうです。


市販の甘露煮は味も濃く、べたべたして八寸にこびりつきますが、これを煮立てた酒にさっとくぐらすと、あら不思議!
べたべたはとれて、味も上品になるんです。
目からウロコのテクニック!

これは試してみよう。


香の物の切れ目、隠し包丁の入れ方も学習。

最後にこれが最高においしかった栗きんとん。



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主菓子です。

栗と白餡を火練りしたもので、こんなに美味しい物が自分でつくれるなんて、、、[E:lovely]



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茶事の流れに沿って、亭主側と客側に別れていただきました。
もちろん、千鳥の盃もいたしましたよ。


飯後の茶事がいまのところ私のせいいっぱいですが、教えてもらいながらでもいったん自分でやってみると、手作り懐石の敷居が下がったような気がします。
これはこれでまた楽しい世界がひろがっています。

しかし、実際に自分で懐石を作るとなると、一体何人水屋のお手伝い、しかも料理がある程度できる人、をたのまないといけないのでしょう。
一人や二人ではちょっと無理なような気がします。
やっぱりまだ遠い道のりかな。


それにしても、御指導くださった庵主さんのお茶への見識、情熱はすばらしい。
教えていただくことがまだまだたくさんありそうです。
毎月は無理としても、また行きたい。

それに、、、


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うふふ、、、、

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庵主さんも大の猫好きでいらっしゃる!!

こちら先代の猫の後を継いだまだ1歳にならない、いちごちゃん。

当方、猫を見たらヨダレがたれるので、、、、[E:lovely]いや〜ん、らぶり〜[E:heart01]
posted by しぇる at 20:00| Comment(8) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする
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