2012年10月26日

竹中大工道具館巡回展〜数寄屋大工・神戸

神戸の中山手あたりは兵庫県庁とその関連施設がたくさんちらばっているエリア。

2年前まで兵庫県民だったので、年に一度くらいは足を踏み入れていた、ちょっと懐かしい場所です。

P1010102
JR元町駅から山の手に(北)あがっていくとまずはこんな建物が。

これは兵庫県公館とよばれる建物で、現在は迎賓館、資料館として使用されていますがかつては県庁舎だった建物。

フランスルネサンス様式で竣工は明治35年。
当時は海洋都市・神戸の威容をしめすべく、最大級の庁舎であったとか。

残念なことに戦災で焼失し、外壁以外は後に修復されたものですが、その歴史的価値を鑑み、重要文化財になっています。


P1010105

神戸栄光教会。

このあたりが神戸らしい景色。

以前の教会堂(大正年間の建築)は阪神・淡路大震災で倒壊、現在の物は8年前にあらたに建てられた物。
(以前の教会は記憶にないなあ、、、、)


P1010108

さらに北へゆけば、神戸市唯一の日本庭園、相楽園。
かつては明治の神戸市長の庭園だったそうな。

菊花展などやっていてのぞいてみたかったのだけれど、今回の本命はこちらですので、、、





P1010109

おお、いきなり天平の寺院の柱のオブジェが。

竹中大工道具巡回展〜数寄屋大工を東京でやっているのは知っていて、いずれ関西に来ることは知っていたのだけれど、なんで大阪・京都でなくて、神戸?



P1010111

、、、、と思っていたら、神戸にあったんですねえ、竹中大工道具館
って竹中工務店の施設が。
こんな県庁の近くにこんな記念館があったとは、気づかんかったわ。



P1010110_2


このポスターは如庵(織田有楽の茶室)ですね。

数寄屋建築、、、
私は建築家でもなければ大工さんでもないので、専門的知識はありませんゆえ、ただ茶室が好き、というだけなんですが[E:coldsweats01]


P1010113

一番見たかったのは実物大の茶室構造模型。
(パンフの一番上の写真)


大徳寺玉林院蓑庵(重文、一度知らずに見たが、その時は薄汚れた茶室、、、、と思っていた[E:coldsweats01])の写しで三畳中板。


壁土を塗らないスケルトン状態なのに、中の点前座にすわって(そう、入室できるのです!)みると、意外に落ち着くのは竹小舞の美しさのせいでしょうか。

ありとあらゆる数寄屋の技法を駆使されているのでしょうが、残念ながら解説するだけの知識をもちあわせません。

木組の模型がいくつかおいてあって、さわって分解してみてください、というコーナーあり。
外見ただ3本の丸太が組み合わさっているだけ?と思いきや、分解してみると、え?!と思うような緻密な細かい細工が丸太の中にしてあって、その正確さと美しさにびっくり。

日本の伝統木造建築のすごさを改めて認識しました。


ただ、現代においてはこういう数寄屋を注文する人の数は限られているので、このような技がちゃんと伝承される保証がないのが残念です。


その他、数寄屋独特の木材の実物展示、数寄屋を構成するディテール(襖、畳、障子、引手、欄間など)、名工といわれた大工の棟梁の仕事についての展示あり。

おもしろかったのは、茶室起こし絵図。

待庵とか如庵とか、有名な茶室を紙に書いた物で、切れ目をいれて立体的にみせる絵図のセット。
これがあればあなたも(ミニチュアの世界で)有名な名茶室のオーナーになれますわよ。

それから紙の畳セット。
これを組み合わせてどんな大きさの茶室も自由自在にレイアウトできるしろもの。
三畳とか二畳台目とか、下座床、上座床、とか、本勝手とか逆勝手とか。

もちろんこれはままごとではなく、施主が大工さんに自分の希望を正確に伝える手段なんですけれどね。

この展示は11月18日まで。
そのあとは名古屋へいくようです。
お茶室を見るのが好きな方は是非。


さて、名工といえば、野村碧雲荘も手がけた北村捨次郎。
かれの作った北村美術館・四君子苑、週末まで一般公開中だったわ。
行かなくちゃ。


posted by しぇる at 01:45| Comment(2) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年10月24日

弘道館〜秋の茶事2012

気がついたときには出遅れて、すでに満席、今回の秋の茶事はあきらめていたのに、日ごろのお茶への精進がおよろしいので([E:coldsweats01]ウソ)うまくキャンセルが出てすべりこみできました、弘道館の秋の茶事。



P1010076

空も秋晴れでさわやかな1日となりました。

P1010077

日ざしも影も淡くなってきましたね。

この日の御連客は9名。
こぢんまりしたよいお席でした。

待合掛けは沢庵宗彭の画賛を松平不昧公が写した物で、馬追の絵。



P1010078(石蕗)

本席の掛け軸は清巌宗渭の消息。

(清巌和尚といえば「今日庵」の名のもとになった「懈怠の比丘明日を期せず」のお方です。)

大徳寺170世住持でしたが、その前に堺の南宗寺にもおられたので、「南宗寺」のサイン。
宛先は片桐石州。

石州に清巌和尚が頼まれていたものなのか、利休の茶杓の筒ができたので受け渡しの日を相談、、、云々の内容。




P1010079

日付が九月十五日。
旧暦の今頃で、それで掛けられたとか。

待合の澤庵さんも南宗寺におられましたので、それのつながり。


もう一つの床には歌舞伎役者、4世中村富十郎の筆になる栗の絵。
(彼の後妻さんは昭和の夕霧太夫)





P1010080
弘道館スタッフ手作りの懐石はとてもおいしい。
こんなに上手に自分で作れたらなあ、、、。

そとは明るい日ざしなのに、茶室の中はほの暗く、まずい写真ですが、強肴のお皿。
とぼけたおぢさんがのぞき込む一閑人のようなユニークなお皿は、多分脇山さとみさんのものだろうな。
(弘道館で個展しはったし。あ、夢風庵様の師匠でもあるし。)





P1010081

これを白いお皿の上で撮るべきでした!
透明なきれいな金色だったんですが、これではなにがなにやら、、、、[E:coldsweats01]
これ、卵の黄身の味噌漬けなんです。

風炉は侘びた板風炉、中置。


板風炉の炭出前の羽根の扱いを初めて拝見。

香合は南京瓜。もうすぐハロウィンだし。



P1010082

お菓子は栗のきんとん。

栗きんとんを作るのは老松さんだしお手の物なんですが、お店に出ているのは立派な丹波栗が原料。
ところがこの日の栗は、なんと弘道館の庭で収穫された栗を使ったのですって。

全然お店のものと遜色ありません。
いいなあ、そんな栗のなる木が庭にあるなんて。

P1010084

中立のあとの後座。

後座のお花は藤袴、リンドウ(正確な名前は失念)、それにとってもめずらしい初見の紀伊上臈ホトトギス。

黄色の花で一見茶の花のように見えますが、花の裏をみるとまぎれもなくホトトギスの仲間。

竹の花入は弘道館館主、浜崎さんのお父上の手作りとか。
すごい!

P1010087



水指が韓国のキムチの壺(種壺みたいな、、)。
これがなかなか渋かった。

私も韓国で調達した見立て道具がそろってきたので、韓国茶会したいなあ。

よいお服加減の濃茶をいただき、続き薄のお菓子はにぎやかに。


P1010085

ふきよせ。

たくさんいただきました。[E:bleah]


主茶碗の模様が、秀吉の北野大茶会の高札を淡々斎がそのまま写したもの。

ちなみに北野大茶会は旧暦10月1日(新暦11月1日)におこなわれたので、時候のもの、ということになるのです。
なかなか面白いお茶碗でした。

私は太田さんデザインのお茶碗でいただく。
内側に柿の絵。外側に紅葉。そして高台の中にツクバネという楽しいお茶碗でした。


毎度毎度書いていますが、今回も太田さんの蘊蓄、楽しく拝聴し、佳きひとときすごさせていただきました。
posted by しぇる at 23:00| Comment(4) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年10月22日

神無月雑記2012

<その1> 着物の染め替えと髪飾り


P1160224

これは私が学生時代から着ている色無地・一つ紋です。

学生の頃は淡いクリーム色でした。
嫁にいくにあたって母がこのカレー色金茶色に染め替えてくれました。

なにかにつけ便利な色無地ですが、なんだかね〜、この色顔写りが悪いというか、顔色が悪く見えて老けるんですよね。(まあ、確かに老けては来たが)

で、2度目の染め変えをお願いしました。

P1000515

明るい臙脂色にしました。

生地がよかったのか(おかあちゃん、ありがと)2回染め替えてもつやが失われていません。


P1010075

太陽光でみるとこんな感じで、やっぱりこの方が顔写りよいし、ちょっと若く見えるし[E:coldsweats01]正解でした。

まだまだ活躍してくれそうです。
そう思えば着物ってほんとうに経済的。


P1000766_2

四条祗園近くの和髪飾りのお店、金竹堂で欲しかった柘植の髪飾りを買って、、、


P1010073

こんな感じでお茶会へ行きましたとさ。


<その2> 灰型・向山


10月はお茶では名残の月。
風炉もそろそろおしまいです。

この季節独特の中置(風炉を畳の中央において、水指が勝手付に移動)用に向山を作る。



P1000461

おお!
美しい向山!

、、、、、ってこれは師匠のです。

私のはこちら。

P1000463

なんだかなあ、、、[E:coldsweats01]

P1010089

家の風炉はとうとう片付けました。
いよいよ炉の季節ですね。

<その3> ソウル旅行・補遺

キンキラキンの華やかな建物が立ち並ぶ宏大な昌徳宮(李朝の離宮)の一部に、こんなひっそりした渋い建物群があります。

P1010058

楽善斎とよばれる建物で、王亡き後の未亡人になった王妃や王の側室が住んだ場所。


P1010060

この渋さが日本人にはしっくりきます。

日本の梨本宮家長女であり、李朝最後の王妃となった李方子(まさこ)はここで暮らして、1989年、ここで亡くなられたのだそうです。
(以前来たときに説明は聞いているはずですが、さっぱり記憶にない。というかそういう説明なかったのかも。パンフレットにも書かれていないし)



P1010062

日韓併合による確信的政略結婚でありながら、ご夫婦のお互いへの愛情は深かったそうです。

敗戦によって李垠・方子夫妻は王族ではなくなり、一在日韓国人となり日本で細々と暮らされ、希望した韓国帰国も当時の大統領李承晩により拒否されました。

1963年夫妻はようやく帰国を果たされましたが、7年後御夫君と死別され、韓国に帰化し、ここ楽善斎で暮らしたそうな。

以後亡くなられるまで、韓国の障害児教育にとりくんだり、日韓関係改善のために尽力されました。

かつての宮家の中にこんな背筋をのばして、激動の歴史の中、自分の分を見事に生き抜いた方がおられたとは。
ここはそんな方が暮らした場所だったのだなあ。


<その4> 三条京阪で、「重陽に寄せるお茶ノ時間」




10月23日は旧暦で9月9日、重陽の節句です。
新暦だと菊がまだそれほどきれいに咲かないけれど、今は菊の盛りですね。




P1010095

三条京阪にあるレストラン街・KYOUENの真ん中に突然お茶室が出現。


P1010090
好日居さんが2日間だけ出張茶会をされました。
(京阪主催で無料だったんですよ〜)

気分は「賣茶翁」だそうです。


P1010093

菊のしつらい。
どんなスペースでも茶室になるこの不思議。
P1010091

このグラスの中の日果さんのお菓子。



P1010092

取り出してみると、、、おお、小菊だ!



P1010094


あいたグラスを差し出して、抹茶をそそいでもらう。
菊花をちらした菊茶!


寿命がのびそうですね。
posted by しぇる at 22:50| Comment(6) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。