2010年07月02日

但馬の国にて(後編)

さて、先日の続きです。

お茶事のあと、そらいろつばめ様ご夫婦に、但馬のあちらこちらを御案内いただきました。

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この豊かな緑の但馬の景色。


前編にも書きましたが、地形上の理由から、但馬はずっと円山川の氾濫、洪水と闘ってきた土地です。

昔からの伝統的な治水の根本は、「水の付かないところに家を建てる」「水が付くところには建てない」という生活の知恵であったといいます。

氾濫したときにはそれを受け入れる遊水地は、洪水の引いた後は、運ばれた栄養分に富んだ土壌で豊かな農地になり、人々はまたそこに田畑をつくったのです。

ところが現在では、「水の付くところ」だった場所すら次々と宅地になっていき、頑丈鉄壁の堤防を作り、川をその中に閉じ込めるという治水法が主流となり、、、、、その結果、6年前の台風のときの被害をより甚大にしたということだそうです。

これ、すべてそらいろつばめ様の受け売り。
(もともとこちらで生まれ育ったご主人より、但馬のことをよくご存知だとか[E:coldsweats01])




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但馬といえば忘れてはならないのが、ここ出身の沢庵宗彭禅師。
沢庵さんゆかりの出石・宗鏡寺(すきょうじ)。

有名なのは紫衣事件。
このため時の将軍秀忠によって奥州に流されたが、大赦ののち三代家光に重用され、大徳寺、妙心寺の権威奪還、その基礎を盤石にした沢庵さん。

今、茶道雑誌の「淡交」で沢庵さんの伝記が連載され、面白く読んでいるのでよけい興味ふかいものがあります。


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山にいだかれた静かなお寺です。

これはなんだかわかりますか?掛樋の先です。

なんとモリアオガエルの卵なんですよ。
ちゃんと下に孵化したオタマジャクシをうけとめる、蹲居の水が!
うまく距離をはかって産卵するものですねえ。


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復元されたものですが、沢庵さんが出石に帰ったときに好んで過ごしたという投渕軒。

こういうところで身も心も清々しい生活を送る、というのは禅宗のひとつの到達点かもしれませんねえ。
(私なら半日でギブアップ)

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こちらは「いずし古代学習館」。

ここでは記紀の世界を味わえます。

新羅から但馬の地にわたってきたアメノヒボコ伝説(おそらく製鉄技術を持った技能者集団を象徴していると思われる)、
垂仁天皇が田道間守(たじまもり)を常世の国(中国南部からインド方面)へつかわし、非時香具菓(ときじくのかぐのこのみ=今の橘といわれる)を持ち帰ったという伝説、、、、、などなど。

(ちなみに田道間守はお菓子の神様として各地にまつられ、京都の吉田神社内にもまつられていますね)

昔子供の頃に読んだ神話の世界を思い出しましたが、その舞台がこの但馬あたりだったとは、しらなんだ。

思うのは、古代には日本各地にそれぞれ高度で豊かな文化が花開いていて、けっして地方だからといって文化がおくれたりしてはいなかった、ということ。

歴史の針が少しずれていれば、但馬が国の都になっていた、という可能性だってあったはず。

今の日本の大都市集中的文化、というのはどうもおかしいんじゃないかしら。





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最後はこちらです。
現在の但馬を象徴するもの、といえばなんといってもこれでしょう。

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日本最後の野生のコウノトリが絶滅したのが昭和61年、豊岡の地だったのです。

以後、(ロシアから来た)コウノトリの飼育、繁殖、野生馴化に多くの人々が努力、苦労を重ねてきたそうで、その様子は時々TVのニュースなどで拝見できますね。

今では100羽以上のコウノトリが生息しているそうですが、野生馴化はなかなか大変なようです。

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いました、いました。
童話の絵本などで見た、赤ちゃんをくわえてくるコウノトリそのものです。

遠くに見えた人工巣塔の上にとまっているのは見えたのですが、残念ながら放鳥されたコウノトリの飛翔の姿はおがめませんでした。

白いボディに黒い風切り羽根、さぞや美しいことだろうなあ。



この他にも、たくさんいろいろな話を聞かせていただきましたが、私の拙い文章ではすべてをうまくお伝えできないのがもどかしいです。

そらいろつばめ様はほんとうにいろいろよくご存知で、そして嫁いで来られたこの但馬の地を、但馬ネイティブ以上に愛しておられることがひしひしと伝わってきました。




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最後にお土産までちょうだいして、恐縮です。
ほんにいろいろと、ありがとうございました。

お土産は奥州会津若松のものですが、田道間守にちなみまして「かぐのきのみ」。
最後の最後まで、きっちりテーマが完結いたしましたわね[E:happy01]


posted by しぇる at 01:29| Comment(9) | TrackBack(0) | 神戸・阪神間さんぽ | 更新情報をチェックする

2010年06月26日

モトコー(元町高架下商店街)〜レンセイ製菓

ちょいと用事で神戸にでかけました。

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JR元町からちょいと南へいくと、旧居留地や大丸のおしゃれ〜なエリアがひろがります。

元町の大丸には、いつもおもしろいな〜、と思ってみていたもがあります。

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どのフロアにも「海側」「山側」の表示があるんです。
普通なら東西南北の表示かもしれませんが、坂の町、神戸は海といえば南、山といえば北にきまっているのです。

いや、デパートの中で、どっちが北だろうが南だろうが、知りたい人はそんなにいないと思うのですけれど、、、。


、、、、で、今日はそのおしゃれ〜なエリアではなくて、その反対、ディープアジアなあやしいエリアへ。





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ここは通称モトコーこと元町高架下商店街。
文字通りJRの高架下に、神戸駅まで長く続くちまちまとした商店街。

高架下、といえば三宮高架下(三宮〜元町)はよくいくのですが、元町から西、つまりモトコーに足をふみいれたことがありませんでした。

高架下といえ、三宮の方はどことなくおしゃれでこぎれいな感じなのですが。モトコーはこれまた全然雰囲気がちがうんですね〜。(参考までに三宮の方→

ここはアジアのどこか〜、、、というディープなにおいがぷんぷん。
(ほんまに怪しい薬草か漢方薬かのにおいしてたし。)

戦後すぐの日本か(知らんけど、、、、念のため)、ソウルの市場、ベトナムの市場、、、そういう雰囲気。
「民族結婚衣装・京都屋」という看板がでてて、何かと思うとチマチョゴリはじめ韓国の伝統的結婚式の衣装屋さんだったり(なんで京都屋?)、なにを商っているのか、ドアをあけるまでわからないようなお店があったり。

そういう雰囲気を楽しんで、とけこんで、、、、目的のお店はこちら。




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洋菓子製造レンセイ製菓


ロシアケーキの製造販売のお店。


以前kasparekさんのブログで見て、ず〜っとひっかかっていたのです。

ロシアケーキといえば、頭の中を「パルナス、パルナス〜♪」のメロディーが、、、、、(←関西限定)


元町にくるたびに、行かなくちゃと思いながら、今日まで機会がなくて行けなかったのですが、やっとお店が目の前に!

この高架下で戦後すぐからず〜っとここでお菓子を作って、売ってきたというご年配のご夫婦のお店です。

店にはいると木製の年季の入った大きなトレーにいろんな種類のロシアケーキが山と積まれ、奥の方にはお菓子の製造機械とおぼしき、これまた年季の入った機械が。

ロシアケーキというのは、ケーキと行っても実はケーキではなくてクッキーなんですねえ。



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このアイシングたっぷりの、いかにもロシアケーキ!というのが食べたくてね〜。
普通のケーキならちょっと食べただけでギブアップしそうだけれど、これがさくさくで意外に軽いのよ。

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裏側はこんな感じで乾パンみたいだから。

ほんま、昭和のにおいがするわ。
なつかしいバタークリームだわ。(←若いモンにゃわからんやろな〜)
昔はバタークリームのデコレーションケーキも作っておられたとか。
(今は生クリームに駆逐されたけれどね。子供の頃にはケーキと言えばバタークリームだったのよ)

今時こういうお菓子屋さんなんてそうないでしょうね。
ちょっと表通りへ行けば、おしゃれな洋菓子屋さんがいっぱいならんでいる神戸にあって、戦後からまもってきたこのお菓子、なんだか貴重だわ。
こういうお店が生き延びているのも神戸だからこそかも。

旧居留地のハイソでハイセンスな町のとなりに、猥雑な中華街あり、怪しげなモトコーあり、この国際色ゆたかな(?)ごった煮感が実は神戸の魅力かもしれません。

まだまだ、ご夫婦でがんばってください。

1個90円、もお値打ち。

ごちそうさまでした。



<おまけ>

鳥の糞の種から大きな木に育ったネムノキ。

花、たくさん咲きました。





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      象潟や 雨に西施が ねぶのはな   芭蕉
posted by しぇる at 22:14| Comment(13) | TrackBack(0) | 神戸・阪神間さんぽ | 更新情報をチェックする

2010年03月26日

神戸・北野坂〜フレンチレストラン”ル・フェドラ”

1年会っていなかった友人をまじえて、お互い住む場所の中間地点、神戸でランチを。




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この季節に着たかった、桜鼠の小紋、小さな桜の模様。
半襟はペパーミントグリーンに桜の意匠。

落ち合う前に立ち寄った三宮のとあるビルから。


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はるかかなたに神戸の海が見えています。この景色を見ると、ああ、神戸ってやっぱり港町だったんだなあと思います。

午前中は雹までがふる荒れ模様の天気で、微妙な色の空がターナーの絵みたいです。


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お昼をいただいたのは北野坂〜異人館通りのフレンチレストラン、ル・フェドラ。

たどりつくとさっとドアをあけてくださる。


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お店の中はこんな感じで、こぢんまりしていて清潔、いごこちが良い空間です。

友人とご無沙汰の長いおしゃべりをしながらも、お料理を楽しみました。


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イカ、タコを使った前菜。

こちら惜しまれつつ閉店した異人館通りのレストラン、ジャン・ムーランのオーナーシェフのお弟子さんだった方がシェフをされています。

フレンチの蘊蓄を語れるほど知識があるわけではありませんが、お料理は正統派で、特にソースがとても凝っていてすばらしかった。

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メインディッシュにいただいた鶉です。このカリフラワーが何の下味なのか、とてもおいしくいただきました。

お皿はエルメスで、盛りつけも美しい。

メインディッシュのとき出てきたナイフとフォークに目が釘付け。





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背中がジッパーのよう、、、、と思ったら、なんと虫?!

実はこれ、フランスの有名なソムリエナイフの老舗、ラギオール(Laguiole)のもので、この虫はそのシンボルマーク、ミツバチなんだそうな。(ハエにも見えるが、、)


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取っ手はずっしりとした水牛の角。

こういうカトラリーにもこだわりがあるのね。


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パイナップルキャラメリゼ。アイスクリームがふわふわ軽くて絶品。

最後に接客がとてもすばらしかったことを言い添えておきます。

お店を出るときには、シェフも外に出てお見送りをしてくださいました。


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外に出ると、いつのまにか突き抜けるような青空に。

ここから北には異人館がたくさんあるエリアになります。

最後に北野坂のおしゃれな景色などを。

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たくさんのお店がならんでいますが、異国情緒たっぷりなお店が多いです。

特にインド系のレストランが多いのも神戸らしい。

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おしゃれな雑貨屋さん。


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神戸でコーヒーといえば、にしむら。(あちこちに支店があります)


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北野坂は三宮から山手へのびる坂です。

NHKの朝ドラ「風見鶏」以来、観光客が必ず通る坂であり、また、ジャズを聴かせるライブハウスが6店も軒を並べているというJazz Streetでもあるのです。

神戸においでの節は是非、北野坂、歩いてみて下さい。



   *     *     *


ル・フェドラ

兵庫県神戸市中央区山本通2-14-18 神戸マンション1F [地図]
078-252-8337
定休日 水曜日
posted by しぇる at 22:43| Comment(12) | TrackBack(0) | 神戸・阪神間さんぽ | 更新情報をチェックする
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