2010年03月07日

早春の東大寺めぐり

お水取りから一夜明けて、霞のかかる奈良公園の朝です。


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浮雲園地で草をはむ鹿の群れ。


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二月堂ももやの中。

早くからの参拝は修学旅行生。


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歴史の勉強、しっかりしてね。

そういえば子供たちがそれぞれ小学5年生になって、日本の歴史を学校で習い始める頃、奈良巡りにつれてきたものです。

本で読むだけでなく、こういう歴史の現場に実際ふれるとふれないとでは、心に残るものがちがいますからね。(自分がそうであったように)

二月堂お隣の三月堂こと法華堂。



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お堂の前のこの柳の下で、子供たちの写真を撮ったのが、ついこの間のことのようです。


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柳はかわることなく、春になり芽吹いています。

その向こうは、菅原道真公の「このたびは幣もとりあへず手向山 紅葉の錦神のまにまに」でゆうめいな手向山八幡宮。

お寺の中に神社がある、この寛容さが仏教のいいところですねえ。

三月堂にいったのは、林立する国宝級仏像がいまのままのお姿で拝見できるのが5月まで、、、だからなんです。

不空羂索観音、あまりにも有名なクールビューティー日光・月光菩薩、梵天・帝釈天、四天王、、、、

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(月光菩薩  パンフレットより)


しばらくお堂の改修にはいり、いずれは日光・月光様は東大寺総合文化センターのガラスの向こうにおはいりになります。

同じ空気の中で、薄暗いお堂で神々しい美しさに触れられるのはラストチャンスですよ。

5月17日まで!

お見逃しなく!




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さて四月堂(千手堂)のそばで、おとなりの開山堂(非公開)からのぞく椿を(背景は二月堂)

「これ糊こぼし(良弁椿)だよね。」

「そのわりには斑がはいってないよね。」

と大声でしゃべっていると、四月堂の障子がすっと開いて、なかの東大寺の職員さんが

「それ、糊こぼしじゃありませんよ。」

ひゃあ〜、はずかし〜、聞かれてる。[E:coldsweats02]

というので四月堂の縁側にのぼらせてもらい、開山堂中の糊こぼしを遠景で見させていただきました。

こちら!


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小さすぎてわかりませんね[E:coldsweats01]

ではこちら、サービスショット(?)、縁側においてあった、正真正銘の糊こぼしでございます。


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ありがとうございました。


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はるかに大仏殿です。

東大寺もまた宏大なお寺で、ひとつの町のようです。


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そのなかのひとつ、西のはしにある戒壇院、戒壇堂への道。



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わらすさの入った土壁に、、、


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白椿。

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この枯山水的な砂庭、花頭窓、は禅宗的だな、と思っていると、ここは仏教の研究所でもあったので、禅宗の勉強をしていた僧との交流が深かった、と聞いて納得。

聖武上皇が、唐から艱難辛苦の末渡来した鑑真から戒を授かり、翌年、日本初の正式な授戒の場として建立した戒壇堂。

ここには私の大好きな四天王像があります。






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Komoku_2dtamon_2

(パンフレットより)


ぐっと怒りをおさえて剣を手でおさえる持国天が私のお気に入り。

はるか天平の時代の塑像に、ルネサンスの人間的な力強さを感じる。

その後の平安仏像がのぺっとしてくることを考えると、おおらかでプリミティブな生命感にあふれる時代だったのだなあ、、と思いをはせるのです。

ただ、久しぶりに拝見して初めて気付いたのは、、、四天王の手がお雛様の手のようで、あまりにきれいなこと。

剣を押さえる手は、もう少し力がこもっていてもいいのでは?と思ったら、やはり腕だけは江戸時代の復元だとか。

オリジナルはどれだけ力強い手だったのか、見たかったなあ、、、、

おまけの画像は佐保路の法華寺(国分総尼寺、光明皇后の発願)




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尼門跡らしくたおやかな枝垂れ梅。

こちらには光明皇后が、病人の体を洗い救済した、と伝えられる浴室(からふろ)があり、皇后様のお姿を写したといわれる十一面観音(秘仏)がおられます。

今年は光明皇后1250年大遠忌にあたり、3月20日からなんと公開されますよ。




   ふじわらの おおききさき(光明皇后)を うつしみに

          あいみるごとく あかきくちびる (秋艸道人
・会津八一)



2010年03月05日

東大寺修二会〜お水取り2010

近鉄電車をおりると、そこは、、、、、


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せんとくんがブランコをするシュールな世界だった遷都1300年祭にわく(?)奈良だった。

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近鉄奈良駅ちかくのもちいどのセンター街は萬々堂通則さん。

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素通りできません。この季節だけにつくられる「糊こぼし」(修二会で御堂に飾られる紙の椿:あるいは糊をこぼしたような白い斑がはいる東大寺内にある椿)

このブログにお水取りの話を書くのはもう4回目になりました。

毎年同じ事を書いているかも、、、[E:coldsweats01]

それでも毎年毎年新しい発見もあり、新しいお水取りの知識を仕入れることもあるのです。



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少し早めに宿を出て、ほのかに清香ただよう奈良公園内の片岡梅林をとおって、こちらへ。


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奈良国立博物館。

お水取りの期間中は毎年、この展示です。

ここでまた新しい修二会の知識などを仕入れます。

知れば知るほど奥の深い行なんです。

某外国人にお水取りはお祭りか?と聞かれ、いや祭ではなく、一種の行だ、と答えたのですが、ではなんのためにするのか?と聞かれて、ええ〜っと、、、、、、、[E:coldsweats02]あれ???

でも、ここで学習したから、今度から「興隆仏法、天下泰安、万民豊楽、五穀豊穣などを祈る法要行事」とちゃんと答えられるぞ。(かな?)


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くれなづむ浮雲園地をつっきって二月堂へ。

ちなみに右手に見えている建設中の建物は東大寺の国宝級仏像をおさめることになる東大寺総合文化センター。

いよいよ仏像は信仰の対象ではなく、美術品になってしまうようです。

でも現状のままではいずれ損傷がひどくなるということもあり、保護、という意味で苦渋の選択でしょうか。
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二月堂の前にある、12日深夜、お水取りの由来となった香水(こうずい)をくみあげる閼伽井屋(あかいや)。

つまり1年に1度しか開かない扉です。

前の年の香水は香水授与といって、いただける日と時間があります。

外陣外の局の格子から、手をさしだして、練行衆に一滴、それぞれ香水をいただくのだそうです。(これは未体験)


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これは閼伽井屋の屋根の「鵜瓦」。

鳥の鵜(う)が湧き上がる水の上にいる姿。

これは二月堂縁起によるもの。

若狭の遠敷明神(おにゅうみょうじん)が二月堂でおこなわれる神々の参集に、漁をしていて遅れたお詫びとして、香水を湧かせて献じよう、と約束されたそうな。

すると黒と白の鵜が飛び立った後に甘泉がわき出したので、これを石で畳んで井戸とした、のが閼伽井屋の若狭井の伝説とか。

この鵜は遠敷明神のお使いだそうです。


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2時間ばかり前に行って、例によって一番前のかぶりつきの場所をゲットしましたが、この日は直前まで細かい雨が降っていましたので、いつもより人はまばらでした。(それでも直前にはけっこういっぱいになりましたけどね)

ちなみにこの斜めの回廊は、お松明に先導された上堂される練行衆たちが登ってくる通り道です。

さて、午後7時。境内の灯りがすっとすべて消え、お松明のはじまりです。


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今年は松明の杉の燃えさしをたくさんゲットしようと、たくさん落ちてくる南の端におりましたので、たっぷりたっぷり火の粉を浴びました。

これで無病息災まちがいなし!というくらい。

ただしかなりの火の粉なので、用心のためビニールカッパを着用していたのですが、ビニールはとけて穴があく、髪の毛は焦げる匂いがする、で周りの人と火の粉がついたらお互いに「あ〜、燃えとる、燃えとる!」とおおさわぎで払いあいっこです。

知らない方々と火の粉をめぐって大笑いできるのは楽しいことですね。

私の被害はこちら。




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たたんで足元においていた傘にしっかり穴があきました〜[E:coldsweats02]


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松明のあいまには練行衆の差懸け(さしかけ)という独特の下駄が床をふみならし入堂する音が聞こえます。

タ〜ンタ〜ンタ〜ンタタタタタ、、、というこれも独特の作法にのっとった踏み方。

修二会の行は帷の中でおこなわれるので、みることはかないません。だから修二会は音で感じる、ともいいます。

この差懸けの音、読経、過去帳、神名帳読み上げ、五体投地の音、どれも音楽的で聞き惚れますよ。

お堂正面の西の局に座って30分ほど、お灯明のだけの灯りの中、読経を聞きました。

時々薄布の戸帷(とちょう)に練行衆の影がお灯明に照らされてゆらゆらうつるのは、また幻想的な美しさです。





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まだまだ居残って深夜におよぶ行の作法につきあう、という少数の方もおられましたが、我々は宿にひきあげです。

あんなにたくさんの人で埋まっていた二月堂前ももう閑散として、おわるのを見計らったように細かい雨がふっていました。

なんらかの大なり小なり悩みをかかえながら(それが人生だ)も、毎年こうしてお水取りに来ることができる、というのはありがたいことだといつも思います。

今年も無事、行くことができました。

(宿への道すがら、東大寺境内にまだ残っていた鹿さん。)



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posted by しぇる at 21:58| Comment(14) | TrackBack(0) | 奈良さんぽ | 更新情報をチェックする

2009年10月31日

奈良〜秋のひと日

足が痛い云々で人の同情を買っておきながらなんだ!といわれそうですが、、、、[E:coldsweats01]

あまりにも気持ちの良い秋の1日、でかけちゃいました。奈良まで。

一番のお目当てはこれ。


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奈良国立博物館でひらかれている正倉院展


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年々人が増えて、来年の遷都1300年祭にむかってさらに観光客はもりあがりそうです。

関東の方から来られている方々も。


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いつも思うのですが、出陳されている品々の芸術的価値の高さはもちろんのこと、これらの御物がよく1000年以上の時を越えて、こんなにきれいに遺ってきたものだ、、、ということ。

この当時、西欧、ペルシア、中国、朝鮮の芸術、工芸技法がなだれこんできた極東ターミナルが日本だったわけで、すべての美しい文様、デザインはこの時にすでに完成されていたのではないかしら。

後世のものはみんなその焼き直しにすぎないのではないかと思ってしまいます。

古文書は(読めないのですが、)今、筆を紙から離した、とすらおもえる水茎の跡、文字の数々、書いた人の息づかいまで聞こえるような気がする、、、といったらロマンチックにすぎますかねえ。






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奈良の街路樹はナンキンハゼが多く、季節の一番に紅葉するそうです。この日もみごとな赤。(春日大社参道にて)

さて、博物館で古代の夢にひたった後は、奈良に来たら素通りできないあーとさろん宮崎さんへ。

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こちらは古い町家をほとんどそのまま使われているギャラリーです。(参考:以前の記事



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走り庭の一角にカウンターをおいてコーヒーがいただけるのですが、この上は火袋の高い天井、この開放感を味わいながらすわるこの席が特等席。


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実はこの意匠、京都の家にいただきました。(後ろ姿は友人です。)

まあ、ここのように走り庭に相当する部分がそう広くはないのですが、、、。


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いつもほれぼれする火袋の意匠。

さてこの日は「お手頃古い物市」のご案内をいただいていました。


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こんな感じで、傷物、半端物なんですけれど、十分に良い物が、ええ〜っ!?という安さで売られています。

え?私?

そりゃ買いましたよ、買わいでか![E:coldsweats01]

なにを買ったかは最後に。



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オーナーさんのご自宅でなった渋柿を焼酎に数日つけて、すっかり甘くなったものをご馳走に。

おいしかったんです、この柿が。

おまけに友人とそれぞれ5個ずついただいてしまいました。[E:happy02]

宮崎さんを後にしてその道をひたすら西へ、ならまちの方へ。

実は以前来たときに一人ではいりづらかった場所へ。


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酒蔵春鹿
、今西酒造さんです。

重要文化財今西家書院を有しておられます。


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中にはいると、こんな感じ。

築130年の酒造り建築で、昔ここは釜場で火を入れる場所だったとか。高い天井が印象的。

そして、そして、、、、


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400円の聞き酒グラスを購入すると、5種類のお酒の聞き酒ができるのです!!

これがしたかったのよね〜。

あ、やっぱり気になります〜?左端のお酒のラベル。


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こちらの醸造元はまんとくんではなく、せんとくんを応援されている公式サポーター(?)だとか。

聞き酒グラスは小さいながらも5杯も飲むとさすがに良い気分です。


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ほろ酔い機嫌で夜のならまちをふらふら。気分最高、豆名月も顔をのぞかせてました。

ならまちは夜になるとほんとに人気がありません。まあ、そこが奈良のよいとこ。

お腹もすいたので、雑誌などによくのっているレストランカフェ+雑貨のくるみの木さん、一条店へいこうということに。


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そこはふつうの町中、殺風景なJRの踏切のすぐそばに、え?こんなところに北欧が、、、と、そこだけちがう空間が、、、



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私は最近ここをしったのですが、じつはもう25年の歴史のあるカフェの草分け的存在だったそうですね。

いつも人気で待ち時間がある、とは聞いていましたが、ウェイティングルームもちゃんとあって、退屈しないように本や雑誌までおいてある気配り。

同じ敷地内にある雑貨コーナーではオーガニックな食品から作家物の食器まで。


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ここでいろいろ見ていると待ち時間などあっという間でした。


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お店の中も居心地がよいというか、飾り付けもなにげなく、おしゃれです。

このでかいテーブル、真ん中は枝を折り採ったばかり、という風情のスグリを投げ入れ。

おしゃれカフェにいがちな(?)若い女性ばかりでなく、中年の男性も、子供も、わたしらのようなおばさんも、いろんな年代層のお客さんがおられて、ここの地に足の着いた人気ぶりがわかります。

そして奈良の中心から少し離れて決して行くのに便利な場所ではないのにも関わらず、、ですよ、この人気。


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和食膳1470円。

お値打ちです。ひよこまめご飯、ゴボウなど野菜たっぷりのヘルシーメニューに、お腹にちょうど良い鶏肉の南蛮、デザートとして小さな黒糖ゼリー+コーヒーorリンゴジュース。

お野菜がおいしかった〜。又来よう!

お家に帰ったら9時をすぎてました。

で、あーとさろん宮崎での、戦利品を、、、、


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雪華文様の茶箱です。

お稽古用にと一つすでに茶箱を持っていますがその3分の1くらいの値段でした。

もちろん、振り出し、茶碗、棗、茶杓、それぞれの仕覆、茶巾筒つきですよ。

なにより気に入ったのは、、、、、

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箱が雪なら、蓋裏が月、掛合が花。

雪月花茶箱なんです。

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おまけに振り出しが大好きな青海波文様となれば、もう手に入れるしかないでしょう。

塗りはすこしいたんでいるのでこの値段ですし、すごく良い物、というわけではありませんが、友人を招いてするお茶なら十分美しく、話題にもなりそうです。




    *     *     *

くるみの木 一条店
  奈良県奈良市柏木町581-1
    営業時間 [月~金]11:30~18:00  [土・日・祝]11:30~22:00ランチ営業、日曜営業
       定休日 第3水曜日
posted by しぇる at 19:22| Comment(9) | TrackBack(0) | 奈良さんぽ | 更新情報をチェックする
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