2012年11月06日

今西家書院

、、、、で、正倉院にかこつけた奈良遊びでしたが、こちらも大きな目玉でした。

P1010249

重要文化財今西家書院
高畑エリアです。

ここを現在所有されているのはお隣の今西酒造・春鹿さん。
こちらでは400円で5種のお酒が聞き酒ができる[E:wink]ので、昼間っから一杯やったことはありますが、お隣の今西家書院にはなかなか入れませんでした。



P1010252

この日はたっぷり時間があったので、ようやく訪れることができました。

こちら式台付玄関。


P1010253

今西家書院は興福寺の最大院家(塔頭のようなもの)であった大乗院家の坊官(執事)を努めた福智院氏の居宅。
執事の家とはいえ、大乗院家ともなると(いや、よう知らんがきっとすごかったにちがいない[E:coldsweats01])やはりすごい。
一説には大乗院の御殿を賜ったとも。



P1010255


ぱっとひろがる視界は書院の間からの庭。

よく確認しなかったのですが、この障子は猫間障子といって、一つの敷居に二枚の障子が入っているそうな。
雪見障子が上下にスライドするのに対して左右にスライドするのね。
猫は細い溝をふみはずさずに歩くことができることから付いた名前とか。[E:cat]






P1010256


書院は室町中期の書院造りの形式を残しているそうです。


P1010283

これはすごい!

半蔀(はじとみ)!
源氏物語絵図にでてくるタイプの雨戸(?)じゃありませんか!

上半分はこのようにはね上げられ、


P1010285

下半分はこのように立てかけられていたのかな。




P1010257

庭にあるタラヨウの葉に文字を書いた物。

タラヨウは葉の裏面に経文を書いたり、葉をあぶって占いに使用したりしたため、その多くは寺社に植樹されたそうで、さすがそこは興福寺さん関係。(貝葉:ばいよう、とも)


さて、こちらにもお茶室がありました。



P1010260

珠光好みの三畳+一畳の板。
点前座の位置から考えると向板の1種か?

地袋の位置にある明かりとりの障子がめずらしい。

P1010290

この障子には外からこんな雨戸がつけられていました。

P1010262

花器は古代中国の青銅祭器の爵。(レプリカだと思いますが、、、)

P1010292


茶室から奥の間をみとおす。
躙り口はなく、貴人口のみ。


P1010266

付属の水屋もけっこう広い。
あら、よさげな水指がいっぱい。[E:heart01]

P1010275

奥の間から見る奥の庭。
プライベートガーデンですね。





P1010287


赤く色づくセンリョウや、石蕗、秋明菊なども。

P1010272

この一番奥の部屋の天井はへぎ板の網代になていて、これも数寄をこらしてますね〜。


P1010281

天井といえば、玄関のは船底天井だった!

ずいぶん大工さんも遊んだこと[E:happy01]


P1010289

お庭のかたすみに、なぜか道祖神さんが。


お掃除や家事をこなしてくれる人つきなら[E:coldsweats01]ちょっと住んでみたいなあ。
(やっぱり冬は寒そうだからやめておこう)


ちなみに今西家書院、プチ・カフェもあります。
こんな素敵なお屋敷で食事を楽しみながら、能管や笙のミニコンサートを楽しむイベントも。

天と地への捧げもの~いのり~

12月1日(土曜日)
12時受付
12時30分会食
14時演奏(15:30終演予定)

笛:雲龍 笙:田島和枝 (秦家で美しい笙の音をきかせてくれた方ですよ)
限定40名様お食事付き6000円
当日演奏のみ3000円
posted by しぇる at 20:14| Comment(2) | TrackBack(0) | 奈良さんぽ | 更新情報をチェックする

2012年11月04日

ゆく秋の大和国の、、、〜正倉院展+その他(の方が多いよ)

  ゆく秋の大和の国の薬師寺の
        塔の上なるひとひらのくも 
   佐々木信綱

、、、、といいましても、今回は薬師寺に行ったわけではありません。
でも、豊かな秋色の大和に包まれた一日、10代のころより大好きなこの歌が口をついてでるのです。

P1010222

待ち合わせスポットの近鉄奈良駅前、行基さん周辺はお掃除中。
奈良国立博物館の正倉院展へ行く予定ですが、朝から団体さんやら小・中学生やらがわんさか。

なので夕刻、遅い時間にでかける計略として、(この日は夜7時まで。5時半からはレイトチケットでお安くなります)それまでてくてく奈良散歩を。






P1010227

大好きな町家の多く残るならまちも、このごろとみにいろんな町家ショップが増えてきました。
あの商売っけのない、静かなならまちが好きなんですが、雰囲気をこわさず町家を維持していただけるならありがたい。



P1010229

こういうお宅は登録文化財になって守られているようです。

P1010230

こういう昔からのお商売をされているお店もあります。

よい雰囲気。


P1010233

新しくできたお店も、ちょっと看板(?)がおしゃれだったので撮ってみました。
ちなみにケーキ屋さんでした。


P1010236

ならまちのある意味ランドマーク、元興寺居宅のネパール窓。


P1010235

あら、元興寺さん、表札がPOPだわ。[E:happy02]


P1010240

いつも倒壊寸前のようで心配していた、かしいでいた町家。

ついに「危険」になってしまったのね[E:weep]
とうとう取り壊しがまぬがれないのかしら。



P1010242

「寧估庵」、、、、ねこあん??



P1010243

ね、、猫カフェかあ。
中に何匹もの猫ちゃんが日なたでおくつろぎ中。

出身は野良ですか?
今がしあわせな猫生でありますように。

P1010296

奈良ホテルの近くのMPLショップさん。


P1010298

主にイギリスのアンティーク雑貨のお店。
若い人にはアンティークでも、私たちにはせいぜいブロカンテね。
だって子供の頃にはここらへんの雑貨、ふつうに使ってたもん。


ランチの予約時間に間に合わせるため、歩きに歩いて高畑エリアへ。
私たち(お年の割には)健脚だわ。

P1010299

野菜と雑穀、糀料理のお店さん。

人気ゆえ、予約しておかないと入れません。

場所は新薬師寺、白毫寺の近く、民家が並ぶ静かな場所で、こちらも元はふつうの民家だったようです。



P1010303

花盆コース。
これにご飯とお汁、香の物がつきます。
どれも糀を下味に使った有機野菜たっぷりのお料理。


P1010304

デザートも白餡をつかった和菓子風。
そしてシードルみたいなリンゴを発酵させて作ったジュース(ノンアルコール)。

大変満足いたしました。(ゲフッ)

P1010300


こちらはご満悦の友人です。



P1010307

なぜかこの周辺にも、来る道々にも柿が鈴なりの木が多くて。
奈良って、柿がおおいのかな。

柿食えば鐘が鳴る法隆寺のせいなのか、はたまた柿の葉寿司が名物だからなのか?






P1010310

ノブドウの実。
これは赤〜青と様々な色に色づいてくる前。
地方では「毒ブドウ」と呼ばれているところもあるとか。
こんなにきれいなのに、食べられないから?


P1010312

白毫寺は高円山山麓、その高円山。

   狩高の高円山を高みかも 出でくる月の遅く照るらむ   大伴坂上郎女

高円山が高いから、月が出て照るのも遅いわねえ、、、、
高円山は奈良盆地の東側なので、月がのぼる方向。


この高畑エリアは最近空き家を利用した面白いお店が増えつつあるようで、春日原生林にもちかいこちらを迷い迷いしつつたずねました。

P1010315

アート・クラフトのお店、空櫁soramitsuさん。

ここにたどりつくまでに、行き止まりの道やらなんやらで、足が棒になるまで歩いた、、、という感じ。

さて、そらみつ大和のくにはおしなべて、、、(万葉集)からきた店名?


P1010318

こちらも昭和の普通のお家をまるまる利用されています。


P1010319

普段使いの焼物の器をはじめ、鋳鉄製ハサミ、棕櫚の箒やタワシ、お茶やロウソクなど。
中川政七商店とコンセプトがにているかも。
そしてこのコーナーは岡崎の好日居さんを思い出させる雰囲気で、、、、


ようするにお気に入りになりそうな場所ってこと。


P1010344

友人は曲がったタワシを、私はこのガラスの小瓶を。



P1010322

紅葉は奈良の方が早いようです。


P1010324

高畑といえば、まいどまいど顔をださずにおられないあーとさろん宮崎さん。


P1010325


ちょうどここで個展をされている陶芸家、久岡冬彦先生もおいでになり、オーナーさんもまじえてカフェコーナーで小1時間、おしゃべりに花をさかせる。

赤膚焼の窯元から故・清水卯一さんに師事され、朝鮮唐津や白磁、影青を得意とされておられます。
まさに、これもツボ!



P1010326

双魚文、掻き落とし。
まさに粉青沙器[E:lovely]


さて、そろそろ頃合いもよし、正倉院展にでかけましょう。

P1010329

奈良公園・浮見堂のあたりをつっきって、、、、





P1010333

やった!
行列なし。

(この少し後にはレイトチケットの人が行列つくってました)


P1010334

とはいえ、中はやはりおしあいへしあいなので、昼間きてたらどんなことになっていたのでしょう??

P1010339

一番人気は右の瑠璃坏。

18年ぶりの公開だそうです。
これを取り巻くように行列制限されていて、ここだけ20分ほど並びました。

ガラス部分がペルシア製、金属製台座〜脚は朝鮮半島製だとか。
どうしても瑠璃の部分に目が行ってしまうけれど、台座の細工もとても豪華。

照明の当て方がもっとちがったら、もっと鮮やかなブルーが見られただろうに、と思わないでもありませんが、それでも十分美しい坏です。

一体どんなお酒をいれていたのでしょう。
やはり葡萄酒?

  葡萄美酒夜光杯  王翰


展示中の「甘竹簫(笙の笛の原型か)」と「鉄方響(ぶら下げるタイプの鉄琴?)」を実際奏でてみた貴重な戦前の録音が館内にながれていて、これまた神秘的といおうか、異国的といおうか、不思議な音色。

こちらも是非お聞き逃しなきよう。


P1010336

見終わる頃にはもう真っ暗。
奈良公園あたりはほんとうに町中とは思えぬ暗さ。

一人ならちょっとコワイ。

興福寺の北円堂の横をぬけて猿沢池のお土産物屋がたちならぶあたり。

P1010338

12歳の自分が、修学旅行の時ここで買ったお土産物のことを懐かしく思い出し、あの頃と変わらずいまだに奈良が好き、と思いつつ、毎度こうして奈良に遊びに来られることに感謝せずにはいられません。
posted by しぇる at 20:00| Comment(6) | TrackBack(0) | 奈良さんぽ | 更新情報をチェックする

2012年09月27日

富田林・寺内町(じないまち)〜江戸時代の町へGo!

先日の峯風庵さんのある富田林・寺内町は奈良・橿原市の今井町とともに重要伝統的建造物群保存地区に指定されたエリア。

P1000342

今井町よりは狭いものの、その街並みはまけていません。

P1000345

古くは17世紀、江戸初頭からの建物もあるそうですが、今井町と同じく、皆さん、現在でも住んでおられるお家がほとんど。
生きた江戸の街並みなのです。


P1000343

歩いてぐるっとまわって小1時間、タイムスリップした気分で気の向くままに歩くのがおすすめ。

こちらのお家の前の「水」槽は防火用でしょう。
時代劇によくでてくる桶を山積みにしているアレです。

標識の「城之門筋」は町の中央を南北に通る道ですが、建設省の日本の道100選に選ばれています。


P1000337

寺内町の起源はなんと室町時代にもさかのぼるんです。

西本願寺派興正寺の僧・証秀が、1560年に、このあたりの荒芝地を百貫文で購入し、地元の村の協力も得て、芝地の開発、興正寺別院の建立、畑・屋敷・町割等を行い、富田林と名を改めたことに始まるといいます。
P1000353


寺を中心に建設された町=寺内町。





P1000352

右手の立派な建物がその興正寺別院です。



P1000413

寺内町はそのころから町民の自治を行っていたのですが、当時の支配者、本願寺を敵とみなす織田信長とも、本願寺派でありながらうまく折り合って「寺内之儀、不可有別条(じないのぎ、べつじょうあるべからず)」との書状を得ることに成功。



P1000402

今井町が信長と戦って舌を巻かせて自治を勝ち取ったのもすごいですが、正面からぶつからず、したたかに戦略的に自治をかちとった寺内町もすごい。(今の日本の政治家はこれに学んでほしいわ)






P1000350

ではちょっと、建物の意匠ウオッチングを。



P1000351

この複雑な瓦の重層。
一番上は煙出し。

鍾馗さん?もいてはるよね。

P1000449

こちらの瓦も手が込んでいます。

P1000369

お蔵の窓の意匠も手を抜いていませんね。

P1000370

玄関のファサード。
この板はいったい何のため??



P1000364_2

格子の向こうにオリジナルの瓦を飾るお家。
なぐりの格子、出格子、二階の格子、、、、縦の線がとってもリズミカル。



P1000401

モチーフが今井町ではシンボルになっていた駒繋ぎの輪。


P1000411

こちらにも。


P1000409

こちらの全景はこんな感じで、ここは仲村家。
酒造業を営み、幕末期には吉田松陰が20数日滞在したそうですよ。
18世紀後半(1782年~1783年)の築造だそうな。



P1000362

こちらの格子も京都のはんなり格子とちょっと趣が違いますね。


P1000404

こちらは木綿業をいとなんでいた木口家。

京都のばったり床机によく似た跳ね上げ式の板は、商品をならべていた「あげ店」とよばれるもの。


P1000358

掲示板も街並みの雰囲気を壊さぬように。

寺内町ではたくさんのイベントが住民主催でよくおこなわれているようです。

10月13日には後の雛祭りなんて魅力的なイベントも[E:lovely]



P1000338


古い家を、ギャラリーや陶芸教室、カフェ、花屋さんなどに利用しているところもあって、これを見て歩くのも楽しいですよ。

こちらはおいしい、と評判のパン屋さんですが、峯風庵さんからの帰りに寄ったときにはもう売り切れ閉店でした[E:wobbly]

最後に今井町で言えば今西家にあたる、寺内町開闢以来の町の重鎮であった旧杉山家住宅のご紹介。




P1000414

杉山家は江戸時代から明治時代にかけて、この住宅で造り酒屋を営んでおり、江戸時代中期17世紀中頃の建造。
寺内町の中でももっとも古い建築物とされていて、また現存する町家の中でも最古と考えられているそうです。
(重要文化財)

現在では富田林市が買い取り、解体修理工事ののちに一般公開されるようになりました。


P1000418

堂々たる土間です。
P1000417

その一画にはおくどさんが。



P1000424

ここは二条城の座敷?
かと思うくらいのりっぱな大床の間。


P1000425

奥座敷にめんする庭も風情があり、小間の茶室もちゃんとあります。



P1000430

この杉山家、与謝野晶子らとともに活躍した明星派の歌人・石上露子の生家なんだそうですよ。


P1000436

ちょっと住んでみたい。
(掃除はしたくないけれど)



P1000432

庭には見事な萩の垣根。


P1000437

よき秋の1日でした。
posted by しぇる at 23:00| Comment(8) | TrackBack(0) | 奈良さんぽ | 更新情報をチェックする