2010年06月30日

アテネ世代

6年前、アテネオリンピックで戦った、山本昌邦監督率いるU22の日本サッカーチームは「谷間の世代」とよばれた。

ひとつ前の世代にいたような、とりたてて目立つスター選手がいなかったからだ。

だけど同世代ばかり、ということでとても仲のよいチームにみえた。

「アテネからドイツ(2006ワールドカップ)へ」をスローガンに戦ったチームは予選で全くよいところなく敗退した。

もう予選落ちが確定した最後の対ガーナ戦で、大久保が意地でたたきだしたヘディングシュートの1点で、からくも1勝だけはしたのだ。

その試合の後、大久保は不機嫌な顔はしていたが、泣かなかった。
他の選手もだれも泣いてはいなかったと思う。

その大久保が昨日の試合のあと、泣いているのを初めてみた。

選手全員が泣いていた。

前回のドイツ大会で、予選敗退が確実になった時、だれか泣いていた選手はいただろうか。
記憶にない。
チームの心がばらばらだったように思う。
全力で戦い抜いた、、、、という気迫もなかった。

だから、きのうの日本選手は泣いていい。
控えの選手も含め、みんながひとつになって全力をだしきった。

やれることをすべてやり、おのが持てるすべての力を使い果たした。だからこそ涙がでるのだと思う。

思えば、「谷間」と揶揄され、目標にしたドイツ大会で活躍した選手はほとんどアテネ世代にはいなかった。

けれど今大会、そのアテネ世代こそが中核のチームだった。

大久保がいた、松井がいた、駒野も紺野も、阿部も闘莉王もいた。

昨夜の戦いは、見る方にとっても、興奮するというより、じっと耐えて耐えて、、、の重苦しい観戦だった。
はやく決着をなんでもいいからつけてくれ!と言いそうなほど重かった。

だからベスト8直前に敗れた瞬間はなぜかほっと力が抜ける感じだった。

1日たって、じわじわと今更こみあげるものがある。
今になってやっと自分の本来の感覚が戻ってきたような感じで、なんだか涙がにじんでくる。

「このチームでやれてよかった。」「このチームが大好きだった。」

選手たちは口々に言う。

明日にはもうこのチームはなくなる。
次回の大会では、また次の世代が台頭してきて、もうワールドカップメンバーから去っていく選手もいるだろう。

それでも、このチームにいた、ということは、将来サッカーをはなれても、生涯の誇りになるにちがいない。

すばらしいゲームだった。
ほんとうに、ご苦労様でした。拍手を!


posted by しぇる at 22:32| Comment(2) | TrackBack(0) | くらし | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ここまで来れたのはやはり、和の勝利でしたね
チームで勝った勝利だったと思います

エゴの多い時代、
とても考えさせられました

良く主人に取り込むことばっかりしてたら
脇から水は流れ出てる
あちらへあちらへと水を送っていると
水が戻ってくるといわれます

いつもそんな気持ちで
みんなと接することができれば
良いのですがね
まだまだ私は修行が足りません
Posted by かめさん at 2010年07月01日 21:24
かめさん様

他の国のように、突出したスター選手がいないチームの戦い方を見せてくれましたね。もともと身体能力ではなかなか互角になれないアジア人、個人技プレーを要求されたジーコジャパンでは結果を出せませんでした。日本人には組織力(=チームの和、ですね!)で戦うのがベスト、という結論がでたように思います。次回はさらに発展していって欲しいです。

さまざまな個性がありながら、時には衝突しても固い絆で結ばれる仲間、、、そういう人間関係ができればいいですね。でもむつかしいです。自分自身もかえていかないといけないので。
Posted by しぇる at 2010年07月02日 01:54
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