2007年09月06日

Fresa y Chocolate〜苺とチョコレート

毎度、懲りずにまたキューバネタですみません。

キューバで撮りまくった写真のメモリを失って、悔しい思いをしたので、忘れないうちにハバナの景色を確認しておこうと、単にハバナが舞台というだけで見た映画です。

内容は全然予備知識無かったのですが、見て”よかった”と、ほろりとさせる良い映画でした。
(ちなみに何年か前、ベルリン映画祭で特別賞をもらっていたらしい)

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”苺とチョコレート”
タイトルは、キューバでは苺アイスクリームはゲイ=同性愛者が食べるもの、というところからきています。


舞台は80年代のハバナ、まだベルリンの壁が落ちる前。



恋人に裏切られ、おちこむ生真面目な革命・共産主義信奉者のダビド。カフェテリアで、彼の前にいきなり現れ、苺のアイスを食べてみせるディエゴ。彼は芸術、自由を愛するゲイで、以前からダビドに思いを寄せていた。
いきなり、一方的に思われ、さらにゲイ=反革命分子と偏見をもっているダビドは彼を毛嫌いして避けるが、共産主義青年同盟の友人から、反革命分子だから証拠をつかむため、さぐれ、と言われる。

再びディエゴに接近するダビド。
喜ぶディエゴだが、彼にダビドは条件をだす。
1)人前では話しかけないこと。
2)体に必要以上ふれないこと。

相手を探る目的で近づいたダビドだったが、次第にディエゴの芸術、文学、政治、音楽への深い知識と造詣、芸術を妥協無く愛する熱意、そして温かい人柄に触れ、偏見をすてていく。
ディエゴもまた、やけ酒を飲んで酔いつぶれるダビドに触れたい気持ちをぐっとこらえ、約束を守る。
町の本屋でダビドを見かけたときも、声をかけたい気持ちを押さえ込み、悲しい気持ちを本を握りしめることでこらえる。

そして二人が、かけがえのない友となった時、ディエゴは芸術を愛するがゆえの政府への反抗を理由に、国を追われメキシコに亡命することに。

出国する前、ハバナの美しい景色を胸に刻み付けるディエゴ。
”けれど、ほんとは抱いて欲しかった。”
そういう彼をダビドは自ら抱きしめ、二人は最後の抱擁をかわした。

以上あらすじ。

とにかく、ハバナの風景が美しい。古い、いやはっきり言って、ぼろだけど格調の高い建物が作り出す景色が美しい。海が美しい。
かえすがえすも写真のメモリが〜〜〜![E:angry]

ディエゴの部屋として、旅行では見ることの出来なかった、その古い家の内部が見られたのもうれしかった。かんぬき一つでさえ、重厚な昔の造りで、アンティークな窓、鎧戸、ベランダも見所。

ディエゴが最後に景色を胸に刻んでおきたい、と言った気持ちがよくわかる。彼もこの国を、キューバの芸術を、愛しているのに、その国から追われるのはどんな気持ちだろう。切ない。

これは80年代くらいの話なので、まだキューバでは共産主義の熱心な信奉者も多かったし、政府の思想統制はもっときびしかったことと思う。
ところがこの映画みたいに体勢をちょっぴり皮肉ってみせる映画を作ることが許可されるのだから(キューバ、メキシコ、スペイン共同制作)、時代は変わって来ている、と言うべきか。
ポスト・カストロのキューバは要チェックだな。

最初ゲイを恥ずべきことと、毛嫌いしていたダビドが、最後の方でディエゴに言った冗談がとても気に入ってる。
 
ディエゴ:君は美しい。文学の才能もある。唯一つの欠点は
     ゲイでないことだ。
ダビド:完璧な人間はいないさ。


[E:smile]私はここで笑えたんだけれど、、、。
ダビドが、ゲイは恥ずべき性癖でもなく、ただその人の属性の一つにすぎない、と悟ったことがうかがえる一言です。

ただ、ダビドを演じた俳優さんがもう一つ、美声年といえなくて、、、。ヨーロッパ人はああいうちょっとエキゾチックな感じにひかれるのかな。
あれがガエル=ガルシア=ベルナルくらいの超美形だともっと感情移入できたんだが。

ディエゴの俳優さんは知らない人でしたが、澄んだ瞳がとても美しく、魅力的なディエゴを演じています。
ダビドに対する思いを自制するストイックなところ、芸術に対する政府の無理解に激高する所、最後に愛する国に追われる悲しみを切なく、切なく演じています。
彼のシンボルはヒマワリ(スペイン語でgirasol・ヒラソル)の花。映画の中でも効果的に使われています。


地味と言えば地味な映画ですが、CGてんこもりのハリウッド映画に飽きたあなたにおすすめ。
ハバナの町の美しさなら、この映画と”ブエナ=ビスタ=ソシアルクラブ”→http://blog.kansai.com/cheruprifre/133をおすすめ。堪能できます。




posted by しぇる at 00:33| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・映画 | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは!キューバネタ!結構興味出てきました!どんどんアップしてください!イチゴアイス!キューバでは意味深なんですね〜〜!  じ〜〜んと伝わるんですね・・・こういう映画!(言葉が分かればもっといいんでしょうね〜〜!)一昨日真夜中に流れてた映画も(オランダ映画?)地味な映画でした。なんてことなく流れる内容に・・・気付けば地味に感動してました・・・確かにハリウッド超大作・・・ばかばかしいほどの爆発、CG映像に何の意味があるん?と思ってしまう。ただ・・どんな映画でも一応何かを語ってはいますけどね・・・しぇるさんの背景・・・変わりましたね・・・びっくり・・・右端の塔・・・うちの家のすぐ近く。この夕焼けの下に暮らしてます。
Posted by nnya at 2007年09月07日 01:49
nnya様早く秋になってこんな日暮れを涼しくすごしたいと、思って選んでみましたが、いつまでも真夏がいすわってる!暑い!おおっ!いわれるまでこの塔が何か気づかなかった!この近くにお住まいなのですね。ももちゃんも見てるのですね。キューバは日本ではあまりポピュラーではなくて、話し相手がいない淋しさ?をブログでぶちまけています。ちょっとだけでも興味をもっていただけると嬉しい^ ^
Posted by しぇる at 2007年09月07日 21:36
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