2012年10月29日

徳川様のお茶会へ〜徳川美術館

ここは尾張の国。

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家康の遺品や尾張徳川家伝来のお宝がわんさかころがっている徳川美術館

毎年利休忌のころ、織部が利休から拝領し、利休亡きあと位牌仕立ての筒にいれて持ち歩いたという「泪」の茶杓が公開されるのにあわせて、来たことがあります。



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毎年秋に7〜8日間、日替わりで各流派による徳川茶会がひらかれます。
美術館所蔵の茶道具を使って[E:heart02][E:happy02][E:shine]


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早朝起床、着物を着て雨の中到着したのは午前8時すぎでしたが、もうたくさんの方が並んでおられます。
お茶人さんは、ほんま朝が早い。


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これを楽しみに全国各地からみなさま、おいでになるのです。

この日は最高の参加者だったそうです。
私はたまたまこの日しかあいていなかったからなのですが、なんとこの日の担当は今日庵文庫の筒井紘一先生だったんですねえ。
だから人気だったとか。


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この日、関東からお越しのK様ご夫婦と落ち合って、御指導かたがた、ずっとごいっしょしていただきました。

早起きの甲斐あって、あまり待つこともなく、スムーズに移動。



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副席の薄茶席は山ノ茶屋にて。

江戸時代の茶屋で、名古屋城から移築された物とか。


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待合の天井も竿縁、化粧屋根裏、網代と凝っています。

床には家康の「道中宿付(旅程の覚え書き)」。

九 江戸  十八 戸田 廿二 河越、、、

九日に江戸を出て、十八日に戸田に着いて、、、というようなメモですが、だれがこんなものをとっておいたのか?
まさかこんなメモが400年後に待合掛けになるとは、家康も思わなかったに違いない。

薄茶席の席主は筒井先生の奥様。(お道具よりインパクトがあって(?)ちょっとみとれてしまいましたわ[E:lovely])

軸はなんと足利尊氏の和歌懐紙。

  「あつまち(東路)をまたたひ人(旅人)のたちかえり さはらで君にあふ坂のせき」

尊氏といえば14世紀の人でしょ?
そんなすごいのが残っているんだ[E:coldsweats02]


K様がお正客をされたので、お相伴で思いがけず上座の良い席にすわれました。(らっき〜)

高麗刷毛目茶碗、しっかりとこの手で確かめました。
かたちが沓形にちかいようにゆがんで、とても珍しい刷毛目。

釜は香炉耳釜。
大徳寺・達磨堂にあった香炉を釜にしたもの。
鐶付が鍋のように付いているので、鐶は特別なものを使わないといけないだろうな。






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三葉葵の御紋の幔幕の道をたどって今度は本席・濃茶席へ。
茶室は餘芳軒。
名古屋市内にあった数寄屋建築を移築した物。

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こちらの待合でお菓子をいただく。


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中の紅が美しい薯蕷はご当地、両口屋是清 「秋の初花(=菊)」。

ついでに最近清課堂さんでゲットした末広の菓子切りをさりげなくアピール[E:coldsweats01]



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待っている間に心空庵(四畳半)を拝見。
もと尾張徳川家代々のお茶道役をつとめた平尾氏の茶室。(オリジナルは空襲、台風で倒壊)


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お武家さんらしいすっきりとした茶室でした。

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本席では筒井先生が半東で、お道具の解説をしてくださる。
そりゃ専門家ですもの、興味深い話がてんこ盛り。
もう少し時間があってゆっくり聞けたらなおよいのだけれど。

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お軸は重文の天遊松谿(15世紀ごろの謎の画僧)の「寒山拾得」図。

お茶碗が肥前松浦家伝来の井戸「九重」(五島美術館から貸し出し)やら、大井戸やら、、、もう普段はガラスケースの向こう側よね。

茶入の古瀬戸肩衝「虫喰藤四郎」は釉薬がまだらになって、なるほど〜、なネーミング。
すごいもの見たわ。

飾られていた香木の伽羅はかの有名な一木四銘(同じ香木を4つに分けてそれぞれ銘がついている)の一、「白菊」。
これかあ、、、
森鴎外の「興津弥五右衛門の遺書」にでてくるあの白菊ですよ。

蘭奢待のあのでかさを想像していたら、ほんの一握りくらいの小ささでしたね。
聞香してみたいけれど、これを焚く人、、、、おらんやろうなあ。




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点心はボリュームたっぷりで、京風薄味にじゃっかん物足りぬ私にはうれしいしっかり味付け。

お酒もついてるわよ[E:lovely]


食事のあとは、K様ご夫妻の解説つきで美術館の特別展(徳川将軍の御成)を見る。

これがまた、、、、もう、大名物、大名物、大名物、たまに中興名物、そして重文、、、
茶道の雑誌やテキストでしかお目にかかったことのない有名な道具がげっぷがでるほど、これでもか!と。

さすがは徳川様。

茶道系美術館5〜6館分は十分ありました。
それにしても一般的に唐物茶入の大きいこと。
よほど手が大きくないと、とても胴拭きなんかすんなりできそうもありませんわ。

そして「へうげもの」ファンのみなさま、こちらもでていました!




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唐草文染付茶碗、別名「荒木高麗」。(「へうげもの」第1巻を見よ!)

荒木村重が所持していたもので、漫画では命の代わりに織部へさしだし、やがて利休の手にわたったと書かれていますが、ほんとのところどうなんだろ。


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ちなみにこの(重い)図録は茶会の記念品としていただいたもの。
もう一つの記念品がこのお茶碗[E:lovely]


尾張徳川家伝来の高麗雲鶴茶碗「高浜」の写し。
これ、次の茶会で使おう[E:good]

とにもかくにも目の正月、耳の正月的なお茶会でございました。
一日おつきあいくださいましたK様ご夫婦にも感謝いたします。
posted by しぇる at 23:46| Comment(17) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年10月27日

秋一日 佳日哉

東山がことのほか美しいこの一日。

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まずはお庭の手入れ。

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紅葉の影も、こんなところに届くようになりました。
日ざしが淡い。

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昨年は一つしか実をつけなかった薮柑子が今年はたくさん赤い実をつけて豊作。
うれしい。

さて、おでかけでおとずれたのはこちら。



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北村美術館の四君子苑、特別公開。

春と秋の数日のみこっそり(?)公開されています。
前回は枝垂れ桜の美しい春でしたが、今回は秋たけなわの四君子苑です。

P1010118(中は撮影できませんので、美術館のエントランスから)

北村謹次郎の邸宅で、竹中大工道具館の数寄屋大工展にも名前の出ていた名匠・北村捨次郎の手になる数寄屋棟と、吉田五十八の新座敷棟。

お目当てはもちろん数寄屋棟の二畳台目の茶室・珍散蓮。

いつもは中へはいれないのに、着物のおばさまの団体が中へ入って木下館長の説明をきいてはったので、自分もなにげにまぎれこむ[E:coldsweats01]

初めて洞庫の奥の水屋が格子越しに見えたし、お客さんが多いとき、襖を移動して少し広くできる、ということも初めて知った!(おばさまの団体様、ありがとう)


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美術館では、展示が「追憶の茶事」というテーマなので、だれかをしのんで?と思っていましたが、鎌倉の古刹、円覚寺の開山となった無学祖元禅師の墨蹟を中心に蒙古襲来のころをしのぼう、ということらしい。

ここの展示は茶事のながれにそった道具組がみられるので好きなのです。
懐石の道具がすごかったなあ。
向付ものんこうだったり、煮物椀は宗哲、焼き物鉢なんか重文だもん。[E:coldsweats02]







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美術館のあとはセットでおとずれる李青
さんでランチ。

つい先週、高麗美術館主催の李朝青磁・白磁の旅をしていたものだから、よけいにここへは来たかったんです。
(オーナーは高麗美術館創始者・鄭詔文さんの娘さん)


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李朝家具、白磁の壺、、にかこまれカヤグム(朝鮮の琴)のBGM、、、、ええなあ、この時間と空間。

朝鮮芸術、工芸の文庫も充実。

あ!
あれは!

木製の小さな人形は、韓国・利川でコレクションを見た、木俑ではないか!
ここでまた会えるとは。

木俑は、かつて韓国ではほとんどが土葬のため、棺をかついで運ぶのですが、その時棺の上にさしこんで飾る人形なんです。
最近はほとんど土葬をみないため、だんだん数少なくなってきているとか。


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お花は野の花を摘んで鄭さんがいけたもの。
さりげなく美しい。

たまたま同席した鄭さんの神戸の古いおともだちと、なぜか祇園祭の話題でもりあがる。
この55年間、いちどたりとも欠けずに毎年山鉾巡行を見ておられるとか。

なにより55年の間、事故もなく健やかで続けられたことを言祝ぎたい。
あやかりたいものです。



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ここで盛り上がりすぎて灰型教室に遅刻。
ごめんなさい。


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なので灰型の写真、忘れてとれず。(庭の写真をかわりにおいておきます)
今回も向山に挑戦。

この日は調子があがらず、いまいち、いまに(?)くらいのでき。

野暮用のあとは、この日スタートした岡崎ときあかりへ。
P1040497これは近代美術館。市立美術館とともに期間中(明日まで)は8時まで開いています。


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昨年も楽しみました。




新しく復刻完成した東京駅のオープニングですっかり有名になったプロジェクション・マッピング、実は昨年初めて見たんです。ちょっと感動しました。

幻想的なBGMとともに、少し寒い中、恋人同士が手をつないだり、家族が肩寄せ合ったりして、あ、もちろんおひとりさまでも、シュールな映像を楽しめます。

昨年も背景になった市立美術館だけでなく、今年は図書館も参戦。
クラシックな建物にとてもあうのですね、この手法。

それでは静止画像ですけれど[E:coldsweats01]、幻想的な景色をお楽しみ下さい。










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図書館側に移動して、、、、
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図書館もお花だらけ。

見上げると、十三夜に一日足りない月が平安神宮の大鳥居の上に。

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佳き一日哉。
posted by しぇる at 23:06| Comment(6) | TrackBack(0) | 京都めぐり2012 | 更新情報をチェックする

2012年10月26日

竹中大工道具館巡回展〜数寄屋大工・神戸

神戸の中山手あたりは兵庫県庁とその関連施設がたくさんちらばっているエリア。

2年前まで兵庫県民だったので、年に一度くらいは足を踏み入れていた、ちょっと懐かしい場所です。

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JR元町駅から山の手に(北)あがっていくとまずはこんな建物が。

これは兵庫県公館とよばれる建物で、現在は迎賓館、資料館として使用されていますがかつては県庁舎だった建物。

フランスルネサンス様式で竣工は明治35年。
当時は海洋都市・神戸の威容をしめすべく、最大級の庁舎であったとか。

残念なことに戦災で焼失し、外壁以外は後に修復されたものですが、その歴史的価値を鑑み、重要文化財になっています。


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神戸栄光教会。

このあたりが神戸らしい景色。

以前の教会堂(大正年間の建築)は阪神・淡路大震災で倒壊、現在の物は8年前にあらたに建てられた物。
(以前の教会は記憶にないなあ、、、、)


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さらに北へゆけば、神戸市唯一の日本庭園、相楽園。
かつては明治の神戸市長の庭園だったそうな。

菊花展などやっていてのぞいてみたかったのだけれど、今回の本命はこちらですので、、、





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おお、いきなり天平の寺院の柱のオブジェが。

竹中大工道具巡回展〜数寄屋大工を東京でやっているのは知っていて、いずれ関西に来ることは知っていたのだけれど、なんで大阪・京都でなくて、神戸?



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、、、、と思っていたら、神戸にあったんですねえ、竹中大工道具館
って竹中工務店の施設が。
こんな県庁の近くにこんな記念館があったとは、気づかんかったわ。



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このポスターは如庵(織田有楽の茶室)ですね。

数寄屋建築、、、
私は建築家でもなければ大工さんでもないので、専門的知識はありませんゆえ、ただ茶室が好き、というだけなんですが[E:coldsweats01]


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一番見たかったのは実物大の茶室構造模型。
(パンフの一番上の写真)


大徳寺玉林院蓑庵(重文、一度知らずに見たが、その時は薄汚れた茶室、、、、と思っていた[E:coldsweats01])の写しで三畳中板。


壁土を塗らないスケルトン状態なのに、中の点前座にすわって(そう、入室できるのです!)みると、意外に落ち着くのは竹小舞の美しさのせいでしょうか。

ありとあらゆる数寄屋の技法を駆使されているのでしょうが、残念ながら解説するだけの知識をもちあわせません。

木組の模型がいくつかおいてあって、さわって分解してみてください、というコーナーあり。
外見ただ3本の丸太が組み合わさっているだけ?と思いきや、分解してみると、え?!と思うような緻密な細かい細工が丸太の中にしてあって、その正確さと美しさにびっくり。

日本の伝統木造建築のすごさを改めて認識しました。


ただ、現代においてはこういう数寄屋を注文する人の数は限られているので、このような技がちゃんと伝承される保証がないのが残念です。


その他、数寄屋独特の木材の実物展示、数寄屋を構成するディテール(襖、畳、障子、引手、欄間など)、名工といわれた大工の棟梁の仕事についての展示あり。

おもしろかったのは、茶室起こし絵図。

待庵とか如庵とか、有名な茶室を紙に書いた物で、切れ目をいれて立体的にみせる絵図のセット。
これがあればあなたも(ミニチュアの世界で)有名な名茶室のオーナーになれますわよ。

それから紙の畳セット。
これを組み合わせてどんな大きさの茶室も自由自在にレイアウトできるしろもの。
三畳とか二畳台目とか、下座床、上座床、とか、本勝手とか逆勝手とか。

もちろんこれはままごとではなく、施主が大工さんに自分の希望を正確に伝える手段なんですけれどね。

この展示は11月18日まで。
そのあとは名古屋へいくようです。
お茶室を見るのが好きな方は是非。


さて、名工といえば、野村碧雲荘も手がけた北村捨次郎。
かれの作った北村美術館・四君子苑、週末まで一般公開中だったわ。
行かなくちゃ。
posted by しぇる at 01:45| Comment(2) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

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