2012年07月09日

歴史とお茶と源氏物語の町〜宇治散歩

  さむしろに 衣かたしき 今宵もや

          我を待つらむ 宇治の橋姫
 (古今集)





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宇治川にかかる宇治橋の中央、でっぱっている場所は観光客用のビューポイント、、、ではありませんよ。

三ノ間とよばれるこのでっぱりはかつて橋の守護神、橋姫をお祀りしていたとか。

(さらに三ノ間から汲む宇治川の水は、山城の名水のひとつで、琵琶湖・瀬田唐橋の下にある竜宮より湧き出たものという伝説も。
秀吉も伏見城での茶の湯の水を汲ませたところともいわれており、10月の宇治茶まつりで「名水汲上の儀」が行われる場所でもあります。)


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橋姫といえばさまざまな伝説があるようです。

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主に女性の嫉妬の象徴、というのが有名ですが、「源氏物語」の宇治十帖の最初の巻名でもありますね。



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前日からの豪雨で増水した宇治川のうねりは、洛中を流れる鴨川とうってかわって荒々しい。

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池月と摺墨の名馬の先陣争い(「平家物語」の世界[E:wink])の時は、まさかこんな激流ではなかったのでしょうね。


、、、、というわけで宇治にきております。
宇治市内に所用があったのですが、おもいがけずさっさと片付いたので、にわか宇治さんぽ。





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まずは蓮の花をもとめて。



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雨にしなだれる風情もまた麗人のおもむき。
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華やぎへの道を登りはじめた乙女。



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仏様の合掌のお姿。
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散華。



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この極楽浄土はどこかといいますと、、、、


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かの世界遺産・宇治平等院鳳凰堂。

藤原頼通が死後、行きたいとねがってやまなかった極楽浄土をこの世に具現化したもの。

学生時代に10円玉(裏が鳳凰堂)をにぎりしめて来たときには、庭園もこんなにきれいに整備されていなかったし、「世界遺産」の称号はやはりすごいなあ。



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浄土庭園の小石が敷き詰められた「洲浜」は平安時代の代表的な庭園様式。
そういえば王朝文化フェチ・八条宮の桂離宮にもありましたわ。








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鳳凰堂内の長押の白壁に、52体(うち何体かはミュージアム内でまぢかにみることができます)の雲中供養菩薩像。
現世にあらわれた極楽浄土のさま。

ただし、今は色は剥落し、渋い古木の味わいで、今の日本人好み。
かつては極彩色にいろどられ、極楽とはかくも色彩の洪水、にぎやかなところなのかと。(ミュージアムで一部再現したコーナーあり)

思うに禅宗が入ってきてから、枯山水など、日本人は渋いのが好きになったが、かつて平安時代には十二単に代表されるような豊かな色彩を愛していたのだろうなあ。







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平等院の裏手に、鳳凰堂に対する、という名の宇治市営のお茶室対鳳庵があります。





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広間、小間、立礼席までそなえたこの茶室では、きちんとしたお点前でほぼ1年中、お茶がいただけますの。


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宇治市内のお社中の先生方が(諸流派、煎茶道もあり)交代でお当番されておられるとか。
(わがブロ友、花咲おばさん様もこちらでかつてご奉仕されていたよし[E:happy01])



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お道具も宇治市所有のものとかで、さすが茶所、宇治!
と感心しました。
(宇治市、城陽市では小学校の水道から宇治茶がでるんですよ〜)

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お花は半夏生とヒメヒオウギ。

この日のお当番は遠州流の先生でした。
(最近、遠州流のお点前は一目見てわかるようになった)

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宇治川をわたる鮎。
お客さんの中にははるか海を渡ってこられた方も。







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宇治橋をわたって、ちょいとこちらへ。
伊藤久右衛門本店


天保年間、宇治田原で茶業をはじめたお茶の老舗ですが、現在ではこちらの、、、



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抹茶パフェが有名かも。
(こんなでっかいパフェ、、といいつつも完食)




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伊藤久右衛門さんからほどちかい、宇治市立源氏物語ミュージアムの池の蓮。
(伊藤さんで割引券、もらえます)

それにしても、宇治市は観光にずいぶん力をいれてがんばってはるなあと思う。

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宇治の観光名所をつなぐ石畳の道にはこんなマークが。
扇で顔をかくした平安美人の図、、、でしょうか。

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ミュージアムから宇治上神社(こちらも世界遺産)へつづく道も整備されて「早蕨の道」と命名されているし。
(ちなみに早蕨も源氏物語の巻名ね)
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宇治上神社。
なんと創建時期とか由来とかも不明、、、なくらい古い神社。

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国宝、拝殿。
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寝殿造りを写したといわれる建築(鎌倉前期らしい)ですが、この屋根のアクセント的曲線部分がなんともいえず美しい。

拝殿の後方にこれまた国宝の本殿があり、現存最古の平安時代の建築(覆屋に覆われている)だとか。


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かつて宇治には宇治七水といって7カ所の名水があったそうですが、現在残っているのはここの境内の桐原水のみ。

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冷たくて澄んだ湧き水です。
(そのまま飲むのはちょっと危険かも)



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宇治橋のたもとにもどったところにお茶の通圓さん。

初代は源三位頼政の家臣だった、というからには平安時代の創業ということになります。

以仁王の乱で頼政に従い、ともに平等院で平氏の軍勢にうたれて討ち死。
そういえば、平等院にお墓がありましたわ。
(思えば宇治の地は歴史の地でもあるんですねえ)

その後代々茶業をいとなみ、秀吉に三ノ間からくみ上げた水をおさめるのも通圓さんの役目だったとか。
現在のこの建物も、寛文年間ですから17世紀のものだそうですよ、びっくり[E:coldsweats02]








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古いといえば、こちらも永禄年間(16世紀後半)創業の茶師、上林春松。
上林記念館の長屋門。
なんと元禄年間の建物。

お茶をやっている人なら、一度は「お詰めはかんばやしでございます。」と言ったことがあるはず。

桃山時代以後、上林一族は永らく宇治茶の総支配でしたから。
現在でも毎年千家へのお茶壺道中は上林だけ。(たぶん)


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江戸時代、将軍家御用の茶を運ぶ茶壺道中に実際つかわれたルソンの壺など、こちらの記念館で見ることができます。



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上林のある街道にはこのほかにも、古い茶師の家がまだまだ残っています。


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最後に訪れたのはこちら。


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中村藤吉本店
こちら創業は安政年間(19世紀)。






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茶商屋敷のこの建物は明治時代のもの。
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どこまでも深い座敷が印象深いです。


さて、今日もおさんぽご苦労様。
で、こちらのカフェで、ごほうびの、、、、


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茶そば。
あくまでお茶の宇治なのでありました。


posted by しぇる at 20:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 京都めぐり2012 | 更新情報をチェックする
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