2012年07月04日

北寺町あたり・廬山寺〜梨木神社

寺町通りも丸太町から北は御所の東になるので、雰囲気が南よりかなりかわります。

北寺町、、、というのは私が勝手に名付けただけですが[E:coldsweats01]







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丸太町から北上していくと、このりっぱな門が。
旧九条殿河原町邸から移築したこの門をいただくのは京都府立鴨沂(おうき)高校。

日本最初の女紅場(女子教育の場)からの伝統をうけつぐ高校ですが、私にはジュリー[E:heart01]がいた高校、というので大学時代憧れていって見たことがあるんですよ。(まあ、今の若い人にジュリーといってもわからんか、、、、沢田研二さんのことね)




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先日の廬山の茶会に刺激されて、、、というわけではありませんが廬山寺へ。
もっともこの廬山寺(廬山天台講寺)という名前は中国の廬山からとったものだそうですので、あながち無関係ではありません。



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入ってすぐの開基・元三大師堂から寺町通りをふりかえる。

元三大師とは10世紀に活躍した比叡山の高僧・良源のこと。
おみくじの発明者としても有名ですが、もっと有名なのはこのお姿。

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角大師とよばれるお姿で、元三大師が厄神を払うための姿といわれ、いまでは厄除けの御札として京の家々でよく見ることができます。


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こちらは桔梗の庭としても有名なのです。

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ちょうど見頃をむかえています。
雨の中、どの花もあっち向いているのが少々残念。

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廬山寺と言えば、節分の鬼法楽をおもいおこされる方も多いでしょうが、残念ながらこれはまだ見に行ったことがありません。

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紫の桔梗、美しいです。

英語ではbaloon flowerと即物的な名前。たしかにつぼみは風船みたいですが。
西洋人はどうも理が勝っていけない。
オシロイバナも夕方4時頃咲くからfour-o'clockだって。






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もうひとつ、ここで有名なのはこの辺り一帯が紫式部の邸宅跡だったということ。

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彼女の曾祖父、藤原兼輔が鴨川の西堤のこのあたりに邸宅をかまえていたことから堤中納言の名で知られていたそうで、式部もここで結婚生活をおくり(当時は通い婚)、娘の賢子を育て、源氏物語を執筆したといいます。

(「堤中納言物語」はここからきたのか!ただし、どうしてそういうタイトルになったか全く不明、、、とのこと)

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境内にある、紫式部と大弐三位(娘の賢子)の歌碑。
ここを式部邸と断定した考古・歴史学者・角田文衛の手になるもの。

(めぐりあひて見しやそれともわかぬ間に雲がくれにし夜半の月かな/有馬山ゐなの笹原風吹けばいでそよ人を忘れやはする)
 
                            

さて、見所の多い廬山寺、もうひとつあるんです。



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墓所に通じる細い道をゆけば、、、、

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お墓の向こうにこんもりと、、、、
(墓場ちょっとこわい〜、、、[E:shock])


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そう、秀吉の御土居あとがこんなところにも残っていたんですねえ。

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足元にはどんぐりの実がいっぱい。


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さて、廬山寺のほんとにお向かい、こちらは梨木神社。





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秋の萩祭で有名ですが、まだつぼみが少々、、、といったところです。

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なんといってもお茶人さんには名水・染井が有名。



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こちらはほんとうに水の量が豊かで、無料でいただけるため、いつもは多くの人がポリタンクをもって並んでおられますが、さすがに大雨の日にはどなたもおられません。
(雨中をくる私は酔狂な人、、、でしょうかねえ)



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お水を一口いただいて振り返ると、桂の木の葉がリズミカルで美しい影を作っていました。


さて、最後に、、、、

このブログを立ち上げてからもう5年以上になりますが、その間いろんなところへいっしょにでかけた相棒がついにご臨終です[E:weep]



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画像のほとんどはこの相棒が撮りました。
使い方が荒っぽいので表面傷だらけですが、どれも思い出のしるしです。

長い間、ほんとうにありがとう。


posted by しぇる at 23:35| Comment(16) | TrackBack(0) | 京都めぐり2012 | 更新情報をチェックする

2012年07月02日

廬山の茶事〜茶馬古道土産

雪が宮中にもふりつもったある日、中宮様がおっしゃる。

「少納言、香炉峰の雪はどうでしょうねえ。」

私はだまって、格子をあけさせ、するすると御簾をあげた。

中宮様はにっこり。

  遺愛寺の鐘は枕をそばだてて 聴き、 香炉峰の雪は簾をかかげてこれを看る (白居易)

白楽天(居易)の漢詩には深く通じている私ですもの、こんなの朝飯前。
でも、雪をご覧になるのに、白楽天の漢詩をなぞかけにお使いになるなんて、中宮様(定子)はなんてウイットに富んだ教養深いお方。


、、、、、清少納言「枕草子」で有名な香炉峰の雪の場面。

今回この香炉峰をいただく廬山に旅された、そらいろつばめ様のお茶事にお招きいただき、但馬の国へ。





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絽の着物解禁です。
帯は麻の紅型。

そらいろつばめ様のお宅は、ユニークかつエコな建築デザインで有名な方の設計、それはそれはすばらしいお宅なんです。(これを拝見するだけでも価値あり!)
2年前、初めてお招きいただいたときにお許しを得て、そのすばらしいお家のごく一部の画像をアップしていますので、ご覧下さい。

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なかでも、家の背骨とでもいうべきストーリーのある光の井戸の土壁。


日本の左官として最高峰のお一人、久住 章さんの手になるもの。
同行いただいた建築家氏によると、こんなに長いスサ(藁)を土壁にいれるのは至難の業だとのこと。

それにしても美しい。


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待合のオオムラサキツユクサ。
掛け物は「露真珠の如く 月弓に似たり」

白居易の「暮江吟」の一節。

白楽天がでてきましたよ♪

廬山は江西省にある古来からの名勝で、なにより陶淵明、謝霊運、李白、白居易、蘇軾、王安石、、、などの綺羅星のごとき文人が多く歌ったことでも有名。冒頭の香炉峰の雪もそうですし。

よって「文国詩山」の雅号を持っているのです。

他にも有名どころで、陶淵明の「菊を採る東離の下、悠然として南山を見る」。
この南山は廬山のこと。

腰掛け待合いは屋外の屋根付きパティオにて。
この日は瀧のような雨が降って、はげしくしぶきがとんできましたが、これがまた李白の歌った「望廬山瀑布」の世界。

日は香炉を照らし紫煙を生ず
遥かに看る瀑布の長川に掛くるを
飛流直下三千尺
疑うらくは是れ銀河の九天に落つるかと



(著名な滝は三疊泉瀑布:落差は155メートル)

本席にて
軸は「語り尽くす山雲海月の情」(碧巌録)


この席に集まったのは茶の湯を愛する方々ばかり。
なので今日はお茶について語り尽くそうではないか、、、ご亭主の思いをくみ取る。


お釜は富士釜、廬山の見立て。

まずは但馬の幸を、ご亭主手作りの心づくしでいただく懐石。
あまりにおいしかったので、これからつたない手作りや仕出しなんかでお茶事にお招きにくくなったわね〜、、、と。[E:coldsweats01]


お菓子のきんとんもお手作りで、できたてをいただける贅沢。
ほろほろと口どけよくたいそう美味。

ご銘は「螢」。

後座の濃茶席では、たいそう大きな伊賀っぽい信楽の水指が。
蓋をあけると、なみなみとした水底にガラス釉が美しく、これは廬山を望む鄱陽湖(はようこ)の見立てとか。
へぎ目の蓋は、湖のさざ波か。



お道具も、ひとつひとつご亭主のストーリーがあり、見立て道具もとてもユニークでおもしろく、名物をずらっとならべられるより、はるかに印象的。

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薄茶のお菓子には、富山の五郎丸屋薄氷の螢バージョン、愛知県・松華堂さんの干琥珀・ひさごをご用意いただきました。


あと、びっくりしたのはごっつい竹の元節の茶杓。
普通の規格よりはるかに大きい、一度見たら忘れられないもの。
これ、なんと木工の人間国宝、黒田辰秋作だったのです。
すごいもの、見た、、、と言う感じです。

それにしてもお粗末な正客でして、ご亭主の思いをすべてくみ取れたかどうかはかなりアヤシク、、、
スミマセン。


お茶を習い始めてまだ数年、というのに半東をりっぱにこなされたご主人、特訓されたご亭主に拍手。

そのご主人、つい先日、茶の湯文化学会がらみの「茶馬古道」をゆく旅からご帰還。
(茶馬古道:唐代から使われてきた中国雲南省からチベットを結ぶ茶葉と馬の交易路。シルクロードならぬティーロード)

廬山を旅したお茶事のあとは、茶馬古道へ思いを馳せる中国茶のテイスティング大会に。




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ご主人みずからが、煎れて下さるお茶は茉莉花(ジャスミン)茶の並と特上。
並でもさわやかでおいしいのに、その特上ときたら!
まさにフローラルティー、というのを実感。

そしておまちかね、写真手前のおおきなお煎餅みたいな餅茶(緊圧茶といわれる茶葉をかたく圧縮して固めた物。それこそ古道を運ぶのに便利な形状)になった普洱(プーアル)茶を。

これで頭をたたいたら割れそうなくらい固いんです。

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これをチーズナイフ(本当は普洱茶専用の小刀があるらしい)でこじるように切って、、、、


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なんと、お水も中国のものをご用意いただきましたの〜。

いただいたプーアルは、あのかび臭い匂いがなくてさわやか〜。



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廬山ならぬ、但馬の山々を見ながらお茶を愛する方々と、こうして中国茶飲み比べ、贅沢なひとときでございました。

裏方でささえてくださった方々にも深く感謝いたします。
posted by しぇる at 23:41| Comment(4) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする
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