2012年05月12日

大田の沢の杜若〜未生流笹岡・家元のお話(野村美術館講演会)

   神山や大田の沢のかきつばた
       ふかきたのみは 色にみゆらむ
  藤原俊成

上賀茂神社から徒歩10分ほど、カキツバタの群生地で有名な大田神社へ。

学生の頃、一度この季節に来たことがありますので、ウン十年ぶりの訪問です。

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説明はいりませんね。
ただただ凜と美しい。

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冒頭の歌にみるように、はるか平安の昔から大田の沢に群生していた杜若(カキツバタ)。
国の天然記念物になっています。


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花びらのようにみえる、実は萼(がく)に細い眼のような筋がはいるのが特徴。
これは花菖蒲と同じで、アヤメとはちがうところ。(アヤメは網目模様)

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花の紫をひきたてているのが、このしたたる緑のいろと、直線的できっぱりした形の葉ですね。


さて、この美しい杜若を見て、その午後には野村美術館の恒例の講演会へ。


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初夏の碧雲荘脇のいつもの小路。(疏水分線)

東山も笑っています。(山笑フ)

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この季節土手を占めるのはこの黄色い小花。
名前は不明ですが、、、、



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本日の講師は昨年家元を襲名された、いけばな・未生流笹岡の笹岡隆甫さん。
以前からイケメンの次期家元として注目されていたお方ですが、なによりその経歴がユニーク。

3才から先代家元であった祖父の養子になられて、家元を継ぐべく育てられたそうですが、お父上が京大の数学の教授、御本人も京大の建築科で二足の草鞋をはくべく建築の勉強をされていたのです。

天は二物も三物も与えられる方には与えられるんですねえ、、、、[E:coldsweats02]

ほとんどかぶりつきで講演を拝聴しました。(ウシシ[E:lovely])


タイトルこそ「いけばなと茶の湯」でしたが、ほとんどいけばなのお話[E:coldsweats01]

そこで流派の花、未生流笹岡の「流花」が杜若だと初めて知りました。

まあ!
朝見てきたばかり。


杜若の紫色は日月和合の色、最高位の花として大切にされてきたそうです。
杜若を生けるときはとくにあたりを清浄にして、、、をこころがけるのだそうで。

また、葉蘭・水仙とともに、いけるのに難しい葉物(はもの)で、葉組(葉をいけるのによい葉を選んで組んでいく)をするのに、必要な葉数の10倍は用意して、選別するのですって。

私は華道は習う機会がありませんでしたので、かげでそんな苦労をされているとはつゆしらず、お茶の花は「野にあるように」なので、適当に[E:coldsweats01]投げ込んだだけですませていました。



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さて、先代も京大の経済学部(理系です)卒業、今の家元も建築科(理系)というだけあって、笹岡流の教え方は論理的に学ぶ、というもの。
たとえば枝と枝の比率は1:√2になるように、、、というような寸法表があって、これを使えば、だれでもきれいにいけられるとのこと。

そしていけばなというのは、いけた瞬間が完成ではなく、時間をかけてうつろっていく、その枯れた姿までみとり愛でるものなのだと。

対して西洋のフラワーアレンジメントは盛りの瞬間だけを愛でるもの。多くはシンメトリーで面として欠けることなく完成しているが、いけばなには余白があり、非対称の美がある。

この日本人が生まれながらにして持っている非対称の美への憧れは、造園、建築などでもいかんなく発揮されていて、例として法隆寺の伽藍をあげられました。(さすが建築家!)
なるほど、とてもよくわかる。

さらに枯れて落ちた花や落ち葉までめでるのは日本人だけかもしれません。

では、茶席の花は?

笹岡さんはこれをその一瞬で時間のうつろいを表現するもの、とおっしゃる。

これは椿を茶花としていけるのに、けっして咲いた花ではなく、開く前のほんのすこしほころびかけのつぼみを使うことなどに表されているかもしれません。

これから花開いて、ぽとっとおちるところまで思い描くことができるのですから。

そう思えば、茶花をいれるのにも、心していれなければなりません。
適当に投げ入れ、、、ではだめなのよ。
今度から、襟をただして心をしずめていれよう。


<付記>
野村美術館の「かなの美」、後期展示にかわっています。
今回もすごいです。
先日陽明文庫展で学習した近衛家熈(予楽院)さんの和漢朗詠集の軸などもありました。
あと、地下に展示されている釜、炉縁、風炉もすごいよ〜!
迫力満点、お見逃しなく!


posted by しぇる at 21:53| Comment(8) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする
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