2012年05月29日

菖蒲月雑記 2012

<その1> シェル様の憂鬱

この5月で御年15歳にならせられましたシェル様。

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 [E:cat]「口の調子がようない。」

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突如口をかきむしって、あががが、、、、[E:coldsweats02]

あわてて獣医さんへお連れすると、歯肉炎をおこしていなさる。

抜歯が根治治療だが、なにせご高齢のため([E:cat]失礼な!)麻酔によるダメージがあるかも、とのこと。
でもこのままでは、お食事も満足におできにならないので、ここは下僕としては腹をくくって「抜いちゃってください!」。

幸い血液検査では、この御年にしてはどこも悪くない、とのことで全身麻酔下に抜歯。

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(気持ちワルイと思われる方もおられると思うので、ノイズフィルターかけときました)

上下2本。
どちらも歯根がほぼとけちゃってたので、簡単にぬけた、とのこと。


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点滴のため、毛を剃られた前足にいたくご立腹の様子で、なめなめ。

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まだ麻酔があとをひいて、こ〜んなお顔になっておられます。

え?
術後経過はって?


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はい、このとおり、今までの分を取りもどさんばかりの勢いで、お食事おめしあがりになっとられます。
(しかし、居候中のフレディ、でかいね)

ご高齢ゆえ、これからますます獣医さんのお世話にならないといけないとは思いますが、できるならどうかお元気でずっとおすごし下さいね。

<その2> みったんをみた

なんのこっちゃ?のタイトルですね。

正確に書けば「密庵を見た」。



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ところは大徳寺龍光院。
非公開寺院です。

こちらでさるお茶会のお手伝いに。
(実際はほとんどお役に立てませんでしたが〜〜[E:coldsweats01])


こちらには国宝の茶室・密庵席(みったんせき:四畳半台目)があるのです。
なんと、これを拝見できるとは!
(ちなみに国宝の茶室はこれに如庵・待庵をくわえた3つだけです)
伝・小堀遠州作。

中へは当然は入れないものの、竹の結界越しに頭だけつっこめば、それなりに雰囲気が十分味わえるというもの。

見所はなんといっても、宋代の禅僧・密庵咸傑(みったんかんけつ)の現存唯一とされる墨蹟一幅のみを飾るための床・密庵床であります。
この日はその墨蹟はかかっていませんでしたので、想像で補うしかないのですが、思ったより狭い、床も小さい、、という印象。
たった一本の軸のために床、、、いや茶室を作っちゃうなんて、当時の茶人さんが墨蹟を宝物と思う心情の深さを感じます。

こんなにまぢかに密庵を拝見できる日が来るとは!
しかもここのお寺の厨(くりや)がまたすごいんです。(おくどさんあり、現役の井戸あり、高い天井、煙抜きあり、、)
ここを使わせていただけるとは、、
京都でお茶をする醍醐味、御利益[E:happy02]をかみしめましたの。


<その3> たまにはイタリアン

祗園は四条縄手上ルのイタリアレストラン、Ristorante dei CACCIATORIさんへ行って参りました。


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このあたりで食事するのはずいぶん久しぶり。
同じビルに、かつて京都住まいだったころよく行っていたスペイン料理のフィゲラスがはいっていて、懐かしかった。
まだあるのね。昔は地下だったような気がするけど。


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イタリア北部ピエモンテ州(トリノのあるところ)の料理、ということですが、日本料理でいえば関西風と関東風くらいのちがいなんでしょうか。

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お料理はちょびっとずつ、何皿もでてきて、しかももりつけが美しい。
これはまさに京料理のイタリア版とでもいいましょうか。
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どちらかといえばあっさり系。


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目と舌で楽しませていただきました。
難をいえば、、、、量がたら〜〜〜ん[E:bearing]


<その4> 久々のキルト

数ヶ月前からちびちび縫っていたのですが、実用本位なもので、せっぱつまってなんとかぎりぎりに完成。

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ほんとに最後は夜討ち朝駆けでキルトしたので、ちょっと粗造ですの、、、[E:coldsweats01]
デザインも凝った物を作る余裕がなくて。

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まあ、これはこれでよいか。
洗濯をよくしないといけないものなので、このくらいで。(←エクスキューズ[E:coldsweats01])


<その5> 金環日食

小学生の時、日食はまだガラス板に煤をつけて鼻を真っ黒にして見たものです。
(これがわかるアナタはりっぱな昭和の子です。あ、地域差もあるようですが)






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京都できれいなリングがみられる7:30AMごろ、私は通勤で家をでないといけないんです。

なのでかろうじてとらえた金環は映る影にて。

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減少した日光に照らされた通りは、いつもの通りではないような不思議な感じでしたね。
デ・キリコの絵を連想しました。


<その6> 真如堂〜真古館


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お気に入りでしょっちゅう通っている黒谷さんから真如堂へぬける「墓場コース」です。


紅葉の頃が美しいなら緑の季節も美しいはず、、、と真如堂まで。



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やっぱりね、とてもきれい。


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お堂を背景にするとなお美しい。

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紅葉の頃はすごい人で賑わうのですが、新緑の頃はちらほらとしか人をみかけません。
もったいないですね、この緑をご存じないなんて。


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表門から吉田山のほうへ向かう道でこんなお家を発見。

これはえびすさんでしょうか。
それに、花がまだ咲いていない時期だったので、同定できませんが定家葛?

とても風情があります。


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その足で旧・東伏見宮別邸吉田山荘敷地内のカフェ真古館へ。

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こちらのご馳走はなんといっても三方見通せる窓からの景色なんです。

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今日は比叡山にするかな〜、後一条天皇、陽成天皇の陵にするかな〜、、


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でもやっぱり大文字がいいわね。

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そして名物蝙蝠ビスケットのついたコーヒーを。
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2012年05月26日

十三世襲名記念 坂 高麗左衛門展

高島屋へお買い物のついでに、時間があればいつも美術画廊へ。

今回萩焼の坂 高麗左衛門さんの13世襲名記念の展示会によせてもらいました。

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高麗左衛門は萩焼でもっとも伝統と格式を誇る名門名跡です。

遡ること約400年、秀吉の朝鮮出兵(文禄・慶長の役、朝鮮では壬辰倭乱、俗に茶碗戦争ともいわれた)の時期に、萩藩初代藩主・毛利輝元が朝鮮から連れ帰った陶工、李勺光、李敬の兄弟のうち、李敬以来の血筋。

李敬は2代藩主・毛利秀就より「高麗左衛門」の名前を賜り、江戸時代は毛利家の御用窯だったそうです。

李兄弟については、以前ブログでとりあげました申 翰均さんの「神の器」にも登場していたので、なんとなくなじみのある名前です。
(当時、朝鮮から半ば拉致されて来日した陶工たちの心情や、萩藩における待遇など書かれていて、おもしろい。特に井戸茶碗にご興味のあるかたは是非ご一読を。)


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場内は茶碗をはじめ、花器、水指、懐石の器など、これぞ高麗茶碗の流れをくむ萩焼!という作品がならびます。

上記の、秀就から「高麗左衛門」を賜った時の任状の軸装(レプリカ?ホンモノ?)も飾られています。
墨蹟もあり、古筆切も掛けられ、さらに会場のあちこちに、青竹を切っただけの花入れに、種々の茶花がすばらしくすてきに投げ入れられています。

秀就の書状の前にはなんと、めったに本物をみられない熊谷草が[E:coldsweats02]
(これって敦盛草と親戚なのよね。なんて平家物語的ネーミング[E:heart01])

まるでいままさにお茶会の席にいるよう。
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さて、萩焼きはあたたかいベージュ色で、新品はどちらかといえば深みがない感じがするのですが、実は使ってこそ真骨頂を発揮するのです。
よく知られた言葉に「萩の七化け」というのがあります。

萩焼の土には、浸透性があり、使っているうちに表面の細かい貫入をとおして、茶がしみこみ、やがて年月とともに微妙に変化して、何とも言えない風情を醸し出す事から、そういうらしいです。





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ちなみにこれは2年ほど、わが家で使い込んだ田原陶兵衛工房の萩焼。
貫入の色が少し目立つようになって良い感じになりました。
手に入れたばかりのときはつるんとしていたのですよ。
(これをだすためにしょっちゅう使っているようなもの[E:coldsweats01])


さて、会場の軸でどうしても一字読めない字があって、指で書き順をなぞったりしていると、感じのよい初老のおばさまが「これは龍驟鳳翔(龍はしり鳳かける)と読むんですよ。」と教えて下さいました。
会場のスタッフさんかなあ、、と思いつつなにげに御礼を言って、退去したのですが、、、、


あとで調べてみるとあの方が十三世高麗左衛門さんご自身だったとは!!

先代(12世)が50代の若さでお亡くなりになったあと、しばらく空席だった高麗左衛門を継がれたのが先々代(11世)の娘さんで、坂家始まって以来の初の女性当主だったんですねえ。
女性とはつゆ知らず、、、、

私ったら知らないとはいえ、なんと失礼なことを(大汗)[E:coldsweats02]


花の絵付けのある作品もあったので、萩にしてはめずらしいなあと思っていたら、高麗左衛門さん、陶芸をされる前には日本画をされていたんだそうです。
そんなことを予備知識として持って行っていたら、もっとしっかり見ることができたのにね。
反省。







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反省しつつも、こんなきれいな和菓子(虹、雨上がり)をいただいたあと、早速例の萩焼茶碗で薄茶を一服、自服にて。
posted by しぇる at 01:01| Comment(18) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年05月23日

弘道館月釜〜花寄茶会

今期最後の弘道館月釜です。

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毎回同じショットですが、並べてみると季節の移ろいがわかります。

今は緑の美しさを愛でる季節ですね。

今回のテーマは「花寄」。

亀岡にある茶寮(ホテル、宴会、茶事・茶会、レストランなどなど複合施設になってます)、田中源太郎翁旧邸楽々荘のご主人、中田智之さんによる茶花を楽しむ趣向。

*楽々荘については、その建築にも興味があり、いずれ訪れるつもりですが、その歴史や山陰線(現トロッコ電車)を作った田中源太郎翁についてはリンクしたHPにゆだねます。

待合掛は益田鈍翁の「茶狂」。
まさしく彼のひととなりを、ひとことで表していますね、うぷぷぷ、、、[E:coldsweats01]

ここにもキスゲなどがいかにも「野にあるように」投げ入れてありました。

本席では中田氏によるなげいれデモンストレーション。

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楽々荘の花も、祗園にあるお店にもすべての花を彼はいけられるそうです。
しかも、ご自分で野で摘まれてきた花で。

道端や河原の野の花を摘んで茶室にいける、、、う〜ん、憧れますね〜。
たとえ道端で花をみつけても、なかなか実践できません。

しかも花器の数も半端じゃないでしょうに。

床の軸は和漢朗詠集の躑躅の歌。
亀岡の市花が躑躅、ということにちなんで中田さんが選ばれたもの。
(そういえば私の亀岡の友人の住所はつつじヶ丘だったような、、、、[E:coldsweats01])




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季節の花寄。
花器も中田さん御所持の逸物ぞろいです。



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部屋の隅にこの花が一つあるだけで、空間がしまる。
野の花にさえ、そういう力がある、不思議です。

いや、和室や茶花をいれる花器には、むしろ野の花こそにつかわしい。

華やかなフラワーアレンジメントでなく、こういうミニマムで空間をひきしめることに美を感じるのは、やはり日本人なればこそ、と思います。




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中田さんは「私はだれに生け花を習ったわけではなく、ただお茶が好きでそのために必要な茶花を思うままいけているだけです。」
と、おっしゃる。
確かに、なにげなく投げ入れられているように見えますが、なかなかこういう風情は私にはだせません。
むつかしいと思います。


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(これは三寸アヤメという矮性菖蒲。)

たしかにデモンストレーションを拝見しても、さっと特に細工もなく、ご自分で摘んできた花を入れられます。

先日野村美術館の講座で聞いた未生流笹岡家元のお話しを思い出しました。

たった9枚の杜若の葉を組むのに、100枚の葉を用意するそうです。
これは投げ入れとは対極にあるようでおもしろい。

同じ花材を使ったとき、この両極はどのように違った花を見せてくれるのか、一度みてみたいもの。

それでも茶花はやはり投げ入れだと思います。

華道の花はそれ自体が作品なので、それだけで完結しますが、茶花はあくまで茶室にあって、茶室の雰囲気をひきたてるものですから。



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そういえば楽茶碗はそれだけで見ると、物足りない(光悦の茶碗などに比べると)ような気がするときもあるのですが、茶室で、練られた濃茶とともに掌にのせたときに、その力を発揮するのではないかと、思ったことがあります。

まあ、いずれにせよ、そんなふうに茶室に花をいれられるようになるためには、実践、実践、、、ですね。(汗)



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今回は初めて弘道館のお二階でお茶をいただく。

お菓子も花寄。

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私の選んだこれはなんの花だろ???
(つくね芋の餡がおいし〜)
(さりげなく季節の懐紙をアピール←池坊仕様)


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立礼に和箪笥を使うなんて、さすが大田さん!




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小振りでかわいいお茶碗は鯉のぼり。



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この蓋置+茶杓にも笑いましたわ。
パリのノミの市かなんかで買ったエッグスタンドですのよ。
気軽なお茶会ではこういう見立てはとても楽しいです。



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玄関に、花をいれる中田さんのお写真。
またこの一隅にある花が構図をばっちり決めていますでしょ?
(なんの花なのかわからんところが、、、、[E:coldsweats01])



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帰途は御所を通り抜けて。
こんなかわいいサクランボをみつけました。

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週末のみ公開の拾翠亭、残念ながら茶会で入れませんでした[E:bearing]



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どうです?このしたたる「緑陰」。

まことに美しい季節ですなあ。
posted by しぇる at 22:36| Comment(8) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする
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