2012年04月08日

弘道館春の茶事2012

<本題に入ります前に>

本日の桜。

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野村碧雲荘のお向かい、清流亭。
枝垂れはいまだし。

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こちらは見頃。

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インクライン。
ちょっと早い。

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高野川。
これも少し早いなあ〜。



    *     *     *

(本題スタート)

月釜で毎月おじゃましている弘道館ですが、昨年の秋に引き続き本格的な茶事に参席してきました。





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弘道館のある御所西あたり、いつも思うのですが弘道館の入り口はめだたないなあ、、、と。
で、どこが入り口かわかりますか?

左右を背の高い建物に囲まれて、とおりすぎて初めて、あら、こんなところに、、、という感じです。
奥にこんなすてきなお屋敷と庭があるなんて、しらなければちょっと想像しにくい。
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この江戸後期から大正年間に建てられた弘道館の建物も、あやうくマンションになるところだったんです。

さて、この日の御連客は10名、皆様流派はちがっても茶道のたしなみの深い方ばかりでしたので、とても勉強になり、気持ちよく楽しめました。

待合の軸は元禄の頃の花見図でしょうか。
蒔絵の野遊び弁当箱とともに。

さあ、これから花見の宴です。

待合ででた汲み出しには、底にぽっと桜をおもいおこさせるピンク色が。
何かと思うと、これが桜でんぶなんですねえ。
最初から期待にわくわく。



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腰掛け待合いにて。

この時晴れたり曇ったりの空模様、ついに雨がさ〜っと降ってきました。

そこでさっと出てくる雨笠!

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これこれ。

最近やっとこれを片手で上手にかかげるコツをマスターしました。
自分の笠を片手でもって、前の客が蹲居を使うとき、反対の手で持ってあげて、さしかけるのです。

これもまた風情がありますね。

本席では、床に三条西実隆の歌の古筆。
春の歌らしいが、またしても全然読めまへん!
実隆さんは連歌・書道・有職故実など和漢の学に通じ、利休の師匠、武野紹鷗に歌や茶道を指導したお人。

もう一つの書院には端午の節句飾りと、桜の下につないだ駒の絵。狩野永徳。

昔は宴会や闘茶の景品の一番上等は馬だったそうです。
これもその景品だったのかも。

「咲いた桜になぜ駒留める 駒が勇めば花が散る」なんて端唄の節が思い浮かぶわ。



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釜は透木、炉縁は花筏。


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茶室の中は薄暗いので(昔はこんなだったはず)写真が全然だめですが、四角い折敷の代わりに丸盆なのが、春らしくていいです。

懐石はすべて弘道館スタッフの手作り。

向付が鯛。

汁の中にはなんと! 土筆が!

まあ、おいしい、、というものではありませんが、この季節にのみ味わえる春の味覚ですものね。
ありがたくうれしく頂戴いたしました。
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小吸い物にも桜の花の塩漬け。
さらに感激したのが八寸の海の物の海老。

ただの海老ぢゃありません。
なかにジャムのようなものが挟まれていて、口の中に広がる風味で桜のジャムと知られるのです。

今回、わざわざ車で来なかったので、千鳥の盃、思う存分[E:coldsweats01]御酒をいただきました〜。



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懐石の最後の主菓子は、桜帛紗包み。

そこはそれ、老松さんですから、お菓子はお手の物。
中味は桜餡とやわらかい求肥。



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中立の後の後座、花はバイモと山吹のつぼみ。
山吹は桜の後にくるものとして。

花器は竹の二重切、明治の実業家にして陶芸家、「東の魯山人、西の半泥子」とうたわれたかの川喜田 半泥子。
銘は「不動」。

棚は吉野棚。(今日は常照寺の吉野太夫花供養でしたね)
吉野太夫が好んだ茶室、遺芳庵の大丸窓(通称吉野窓)を写した物。

水指は蓮月焼。(太田垣蓮月尼)
釘彫りの歌は読めませんが、茶碗だけでなく、こういう大きな物も作っていたのね。

主茶碗は青井戸。
ラーメンがすすれそうなくらい大ぶりで、とにかく渋い。

茶杓は土岐二三の作った、すごく細くて暗い茶色でつやつやとした、これは文句なく美しかった。
作った時よりも、たくさんの手を経て何回も拭かれてはじめて、より美しくなったのだろうと思う。
銘は「西行」。



ちなみに土岐二三は江戸初期の茶人で(今月の「淡交」にその名前発見)なんと岡崎村(今の我が住む岡崎よ)に隠棲してたんですって。一気に身近に感じますわ。







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続き薄ででてきた煙草盆は、これ。
ラオスの竹細工なんですって。
いつもこちらの道具の見立てにはおそれいります。


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お干菓子。
すはまと麩の焼き。

お茶碗は10名それぞれに桜にちなんだお茶碗がいっぱいでてきました。

桜の具象もあれば、私がいただいた茶碗のように灰釉の茶碗に一筋桜色の線が入った、というような抽象的なものまで、想像力で遊ばせてもらいました。

お茶事が果てたあとに、特別サービス。
なんと今年の初物、老松さんの夏柑糖が。


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野村得庵のコレクションだったバカラのガラス器にて。

今の日本には夏蜜柑の栽培農家は数えるほどしかなく、その貴重な貴重な栽培農家との契約で作られた、夏蜜柑を使った寒天のお菓子。
これからの季節限定商品なんです。

いや、ここで食べられるとは思わなかった、感激。
桜づくしで楽しかった茶事もこれにて終了です。


帰り道は、本物の桜も愛でつつ。




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(岡崎疏水)


posted by しぇる at 15:51| Comment(6) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする
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