2012年04月16日

茶の湯あれこれ〜桜の季節

<野村美術館講座〜指物の話>


野村美術館へはこんなすてきな道をとおります。

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野村碧雲荘のお向かい、清流亭の枝垂れ。
あら、さすがに人もいっぱい。



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碧雲荘横の疏水分線ぞいの道を通って、、、


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ここではこんなものもみつけられます[E:confident]

さて、本日は指物師・一瀬小兵衛さんのお話しを。

一瀬家は千家十職の駒沢利斎の別家さんになるそうです。
当代の一瀬さんはまだ40代くらいのお若い方でした。

お茶でお世話になっている指物と言えば、棚・台子、箱、炉縁、風炉先、、、でしょうか。

材木からの木取りの仕方から始まって、指物の道具の話、木の性質や扱いに苦労することなど、いつもなにげなく使っている指物道具一つにも、正確な技術とたいへんな労力がはらわれていることを認識させられることばかり。

木は十分乾かさないと狂いがでるし灰汁もでるので、屋外で乾燥させること5〜10年、使えるまでに10〜20年かかるのですって。
なので当代の一瀬さんが使っておられる木は先代のころに伐採されたもの、ということになりますね。
こうして代々、木だけでなく、技術が伝えられ続けるのはすばらしいなあ。

中には江戸時代に伐採されたとおぼしき、材木も工房にあるそうですよ。
どんな方の所に行くお道具に使われるのでしょうね。


指物師の修行は木釘3年といって、木釘を作ることからはじまり、最初の指物は茶通箱とか。
茶通箱には指物の基本的技術がすべて含まれているためだそうです。
(書道でいえば「永」字八法というところかな)


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そういうお話しを聞いたところでわが家の茶通箱を初めてまじまじと見てみました。

角の本差し、角差しの技術、木釘、、、、なるほど。
こんな手間のかかっているもの、粗末にあつかってはいけませんね。

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この立ち上がりも、蓋がどちらに向けてもすっと閉まるように作られていることに改めて感心しました。

竹台子では柱の竹の節の位置がきっちり決められていることも初めて知りました。
わざわざそんな節を持っている竹を探すそうです。
100本のうちから使えるのは3~4本だとか。

お稽古用の台子だから、、、といって決して粗末にはできないなあ、こんなお話しを聞いた後では。



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帰りはインクラインを通って。


<平安神宮・澄心亭 観桜茶会>

平安神宮では4月1日〜15日、毎年澄心亭で観桜茶会がひらかれます。

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先日の紅枝垂れコンサートの時は、まだ二分咲きだった枝垂れが満開を迎えていました。


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澄心亭では月釜でいろんな流派(なんと11流派もあるとか!)が月釜をかけられていますが、4月のみ日替わりで。
この日は遠州流でした。


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この日茶会デビューの方とごいっしょに。

遠州流のお点前は数回見たことがあります。
帛紗が右にくる武家手前。
毎回茶巾もたたみかえ、それが裏千家では千鳥茶巾といわれるたたみ方なのが興味深い。

お道具も遠州七窯の高取がよく使われるようです。
建水が金の色紙散らし蒔絵の曲げなのが、「きれいさび」、、という感じでしょうか。

お点前をされた方のお着物が、遠州のシンボル、輪違い七宝の紋様だったのがいかにもふさわしくてよかったです。




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お菓子は鶴屋吉信さん。
求肥に白餡の、いかにも観桜にふさわしいお菓子です。
この日は大勢のお客さんがこられるだろうと、850個も注文されたそうですよ[E:coldsweats02]
そのせいか、午前中というのに席主さん、少しお疲れのようでした。
無理もありません。

大寄せで気軽なお茶会なので、初心者デビューにはよかったと思います。




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帰りはそれこそ「観桜」。


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お見事!

おまけにもう一つお見事!


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岡崎疏水の桜。


<灰型〜遠山(もどき)>


遠山に挑戦2回目。


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やっぱり曲線はむつかしゅうございますわ[E:shock]


利休さんは灰型の山を小屋山、落葉山、蜂尾山、切地山の四山から模したといわれていますが、山の形はそれぞれ微妙に個性がでるようです。
私のは、、、まあ今回のは吉田山、、、ということにしておこう。


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谷の曲線がつながっていないところが、ちょっと痛いですね[E:coldsweats01]



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灰型のお稽古の後は、こんな桜の手作りお菓子をいただいて、台子の四畳半花月という複雑な花月でお薄をいただきました。
お菓子は求肥に桜葉をねりこんだもの。
(レシピもちょうだいしました。私に、つ、、、作れるかな???)


おまけ。




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桜のお菓子は和菓子だけではありません。
こんな桜の洋菓子をいただきましたよ。

動物園北、チェカさんで。


posted by しぇる at 23:10| Comment(8) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年04月12日

卅春・茶菓花器事〜好日居にて夜会

値千金な春宵、好日居さんの夜会へ。
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いつもは日没閉店なので、こんなふうに灯りのともる好日居を見る機会はそうありません。
灯りがあったかいな。




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杉の束と一枝の桜。

昼間、下京区にあるギャラリー木と根さんで陶展をされている市川 孝さんが、夜、場所を好日居にうつしておこなった「卅春(そうしゅん)茶菓花器事」、一体どんなんなんでしょう。

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「茶事」に準じてまずは桜のうかぶ中国粥をいただきます。

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ちなみにこのお粥を炊いたのはこの大ぶりの土鍋。
もちろん市川さんの作品。
火の通り方がゆるやかで、おいしいお粥やスープができそう。
(ほしい、、、、[E:lovely])

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表の洋間に移動すると、そこは市川さんのお茶室になっていました。

ナズナを花に。

本日の花担当はみたてさん。
市川さんの伊吹山麓のアトリエまでわざわざ行かれて、そのアトリエのまわりに咲く花、草、木をとってきてアレンジ。
好日居中にすてきな花のしつらえが、、、

ちなみに玄関の杉の和リースもみたてさんのお仕事。
(のちほどみたてさんの素敵なお花の写真をたくさんアップしますね)

花器も火にかけられる急須も、茶碗もまな板みたいなお皿も市川さんの作品。




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市川さんの前には作品がずら〜り。
これを使って茶会です。



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でも、なんでいろんなハーブのポットが?


「お好きなリーフを摘んで、カップに入れて下さい。」

オレンジミントを多目に摘んで器に入れると、お湯の沸いたポットがまわってきましたので、これに湯を注ぎます。


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おお〜ハブティー!


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次々出てくる市川作品、および彼のコレクションであるアンティークの器。

普通、陶器展などはたいてい作品が並んでいるだけ、、、なのですが、市川さんの展示はちがいます。


この器はこんな風にお茶を煎れるのにも、花器にするのにも、料理や菓子を盛るのにも、部屋のデコレーションとしても使えますよ、と教えてくれたり、実際に目の前でデモンストレーションしてくれたり、いわばライブのような展示です。




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長いこと使っていると色も艶もかわってくる。
その人仕様になっていく。
持ち主が作品を完成させるんですよ。

、、、、、そう言って熱く器を語る市川さん。



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元はといえば彫刻が専門だったそうです。
今は陶芸だけでなく、金工も木工もお手の物。
この匙は市販のものを自分仕様に作り替えた物だそうですよ。

すごくおしゃれ。
それにあったかい。

李朝白磁に通ずるものがあると思ったら、やはり市川さん、大好きなんですって。
(ちなみに下鴨の川口美術という李朝ものを扱っている古美術のお店で展示会をやって、好日居さんへたどりついたんですって)


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そんな茶会を見守ったのは「雪持草」。
茶花に使われる坐禅草と同じ仲間らしい。

それにしてもかわいい。
これもみたてさんのアレンジ。

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市川さんの茶席のあとは好日居さんの茶席へ。

移動する道にこれもみたてさんのゼンマイ。
市川さんのアトリエ近くに生えていたもの。


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後半まず1席目は「卅影(クサカゲ)ノ席」。




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この、、、大きな片口の魅力的なこと。


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私なら料理を盛ることしか考えつかないけれど、、、、


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摘んだ桜や草の上から抹茶をふるって、、、、ご覧のようにお皿の中に桜や草が咲きました。



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おおっ1

この片口で抹茶をたてるか?![E:coldsweats02]




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卅影席を見守る桜。
苔の下の板も市川さんが流木から作った「器」。



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こんな小さな杯で抹茶をいただくとは、斬新。

お菓子は先日いただきそこねた日菓さんのきんとん、「咲きほこり」。


(日菓さんは女性二人の創作和菓子ユニット)

添えられた黒文字は、文字通り山から切ってきたばかりの黒文字の枝。
先端をみたてさんが削ったもの。

切り口を嗅いでみると、本当に生の黒文字の柑橘系の香りが、、、、
ああ、黒文字ってこういうものだったのね。
目からウロコ。

菓子器はこれも市川作品、縞黒檀。
これけっこう重いのです。





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2席目は中国茶で。


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何煎出しても香りを失わない、つよい中国茶。
茶托はアンティークでこれも市川コレクション。

意図して、ですが、これ椿に見えませんか?

茶托が葉で器の花びらに茶のおしべ。



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二つ目の日菓さんのお菓子。
ねりきりで「花の絨毯」。
ああ、絨毯を丸めているのね[E:wink]
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この席を見守るのは葉蘭と桜。



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焼くとき窯の中で割れて失敗したお皿もこんなユニークな花器として。
パンチで穴をあけた葉っぱの影も穴あきでかわいい。(by みたてさん)

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おまけのお菓子は冬瓜の琥珀糖漬け。

どなたかが、「カンロ飴の味!」とおっしゃっていましたが、まさにそう。
え〜?これが冬瓜?
と思うくらいあとをひくおいしさでした。



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夜もふけてきましたが、市川さんの熱い思いはとまることなく、時間をはるかにオーバーして続きます。


家に帰って、ふと気づきました。(遅いって、、、)


「茶菓花器事」って、4組のコラボを意味していたんだ!

茶・・好日居さんのお茶
菓・・日菓さんの和菓子
花・・みたてさんの花アレンジ
器・・市川さんの器



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この4組の方々が実は今回初顔合わせだったとは信じられない、ハーモニーを見せていただいたんですね。
やはり惹かれ合うもの、同じ感性は出会うべくして、、、というところでしょうか。


こうして人と人がつながっていくことがとってもウラヤマシイ、私でありました。



とてもとても美しくて、それに癒された「茶事」、ひととき浮き世の雑事を忘れることができました。
posted by しぇる at 23:57| Comment(14) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年04月10日

桜 Days ・2012

京洛の桜をおいかける日々。

<平野神社>

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東の端のわが家から、西の端の白梅町、そこから北へ。

世に桜の名所といふ平野神社へはじめてまかりこしました。



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早咲きの魁桜。

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この境内には50種、400本もの桜があるのです。

寒さのせいで開花が遅れたので、魁だけでなくソメイヨシノや他の桜も一辺に咲き出しています。

明治時代に、通り抜けで有名な大阪造幣局に、珍種10種を納めて平野桜の名がひろまったとか。





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こちらはまた夜桜も美しいとかや。



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境内の茶店で開運桜湯をいただく。

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あ〜らら、、、
ピントボケボケ。

でもお湯の中で桜がきれいにひらいたのですよ。


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平野神社、紋所も桜だったのですね。


<千本釈迦堂(大報恩寺)>




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平野神社から東へ歩くことしばし、千本釈迦堂へ。


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雨のように、滝のように。

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こんなに細かく枝がわかれている枝垂れは見たことがない。

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ひとつひとつの花は可憐なのに、この迫力は一体なんなんだ。

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桜にねじ伏せられたような気がする。


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大工の女房、おかめさんの悲劇的な伝説とはうらはらに、この堂々たる阿亀桜ときたら、、、



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お見事!


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ちなみに寄進者はやはり大工だけに、建築関係がおおいですわねえ[E:coldsweats01]


<ご近所のお寺>

徒歩1分のご近所のお寺。
観光地でもなんでもありません。

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ここにも美しい枝垂れが。
こういう神社仏閣がどこにでも潜んでいるのが京都です。


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遠くに出かけなくても、ここでもお花見できるな。
さすがにブルーシート敷いて酒宴は無理ですけど[E:coldsweats01]



<平安神宮・紅しだれコンサート>

今年も紅しだれコンサートへ。

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昨年は美しさのあまり、2回もでかけてしまった。




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ただ今年はご多分に漏れず、まだ2〜3分咲き![E:bearing]
主催者も今年の長引いた寒さに開花が読み切れなかったようです。


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桜のシャワーには今いち力不足。

ここの神苑の紅しだれ(八重紅枝垂)は御所の近衛邸の糸桜の血を引く桜なんだそう。


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左近の桜の向こうに紅色にかすむ紅しだれ。



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こちらは満開の濃い紅色桜。


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東神苑にて、鏡面の桜。


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本日のコンサートはクラシックのギターデュオ「いちむじん」。
桜の間を縫いながら、栖鳳池をめぐって音楽を楽しむ。

(いちむじん、、、、って聞いたことあるような、という程度の認識だったのですが、NHK大河「龍馬伝」の最後、龍馬紀行のBGM演奏した人たちだったのね)


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私はコンサートの合間に演奏される「紅しだれコンサート」のテーマ曲、溝口 肇さんの「SAKURA Days」のチェロの音色が好き。


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そんな私の桜 Days。
posted by しぇる at 20:00| Comment(10) | TrackBack(0) | 京都めぐり2012 | 更新情報をチェックする
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