五事式のお茶事へ初参加いたしました。
五事式とは、七事式のうち五つの式を取り入れた茶事で、七事式そのものがいわば修練でありますから、五事式はその集大成的なものといってよいでしょうか。
初座は、廻り炭、懐石をいただいて中立。
後座は、廻り花ですが、今回はお花がたくさん集まったので、花寄せで。
ついで、且座で香をたき、濃茶、薄茶は花月、一二三之式で濃茶を採点。
という流れです。
茶の湯巧者ばかりが本来やるべきお茶事ですが、そこは修練、お稽古ですから、、、[E:coldsweats01]
亭主も入れ替わりながらの進行。
待合掛けは、この日の会にぴったりの七事式の偈頌。
席入りすると、まずむかえてくれたのは「一期一会」の軸。
お茶が好き、という共通項のみのご縁で集った皆様なので、まさにふさわしい言葉でした。

まずは
廻り炭。
これが一番大変で、亭主にあたりませんように、、、と祈っておりましたら、なんとかあらたずにホッ[E:coldsweats01]
巴半田や筋半田がでてくるベテラン向きのお点前ですわ。

客がそれぞれ思うように炭をついで、その風情を拝見するというもの。
前の客がおいた炭を、テープを巻きもどすようにあげなければならないので、むつかしい炭の挟み方を前の方がされるとつらいのよね。
炭3つは割炭をいれればなんとかはさめても、丸3つはまずimpossible!
今回私は、管炭を使わずぎっちょばかりで決めてみましたが、いまいち風情がありませんでしたねえ、、、失敗。
上手な方はほんと、きれいにバランスがとれて、しかも火がおこりやすいように置かれます。
最後に亭主が炭をおいて釜をかけ、いよいよお楽しみの懐石を。

泉仙さんのお弁当。
たくさんの種類のお料理がつめこまれて、お腹いっぱい。

この菊と桜の物相に感動いたしました。
かわいい〜。

亭主交代で千鳥の盃も。
わざわざ車でいかなかったので、御酒をたんといただきました[E:happy01]

お楽しみの主菓子は
山もとさんの繊細なきんとん。
はっきりした銘はついていませんでしたが、「藤波」とでもつけましょうか。
中立のあと、私は花寄せの亭主にあたりましたので(ラッキ〜[E:happy02]一番楽かも〜)、後座の準備を。
銅鑼も打たせていただきましたが、余情のあるような打ち方はむつかしい。[E:coldsweats01]
皆様、それぞれお庭で育てられたり、わざわざ花屋でもとめられたりのお花を、人数分の花入れに入れていきます。
これもセンスがものをいいますね。
私はお花はちょっと苦手。
籠の花入れに山吹、瓢箪の花入れに春蘭を入れてみました。(花がたくさんあったので、亭主のみ2種いれさせていただく)

中にはこんな貴重なお花も。
お持ち下さった方のお庭で丹精されたもの、ムサシアブミ(武蔵鐙)。
サトイモ科、仏焔苞(ぶつえんほう)をもつ花で、ミズバショウ、坐禅草などもお仲間だそう。
武蔵鐙とは、昔武蔵の国で作られていた馬具の鐙(あぶみ)に、くるっとまるまったところが似ているから。
でもお茶人さんならまず思い浮かぶのが利休の「武蔵鐙の文」ですよね。
武蔵鐙は「さすが」にかかる枕言葉で、古田織部へ宛てた手紙そえられた歌。
むさしあぶみ さすがに道の遠ければ. とはぬもゆかし. とふもうれしし
(「へうげもの」でもこのシーン、印象的でしたわ)

且座でお香をききます。
沈香は値段ではっきり香りが違います。
求めようと思うと、けっこういいお値段しますのよ。
とても上手に練られた濃茶は、お茶本来の葉っぱの味を堪能させてくれる物でした。
(私は、ダマ作らんと、上手に練る練習しないと、、、汗)

薄茶は花月で。
干菓子は有名な、伊賀上野の
紅梅屋さん、「さまざま桜」
。
芭蕉の「さまざまの事想い出す桜かな」がしみじみわかる年になったなあ、、、。

今回、染付の手桶水指がでましたが、こういう柄杓、蓋置飾りができることを初めて知りました。

最後は一二三之式で濃茶点前を採点。
高得点でした。
だっておいしかったですもの。
茶事を終えて、計5~6時間だったでしょうか。
五事式なんて、いままで遠い遠い目標と思っていましたが、やっと手が届くところまできたか、と感無量です。
こういう機会を与えていただいたことに深く感謝いたします。

麻の葉の江戸小紋に子供の日にちなんだ日本のおもちゃの帯で。