2012年03月25日

野村美術館講演会〜平安時代の料紙装飾

今年度も始まりました。
野村美術館の講演会。

P1150651
(なんといっても徒歩で行けるのはうれしいですわ。たくさんの遠方からおいでの方、ゴメンナサイ[E:coldsweats01]おほほ)

今回の講師は徳川美術館の副館長さん、四辻秀紀さん。

タイトルは「平安時代の料紙〜その美意識を探る〜」だったのですが、料紙のお話しは最後の5分くらいだけだったかしら、、、[E:coldsweats01]

その時間のほとんどを平安時代の仮名の移り変わりと歴史、重要な作品についてお話しされました。

P1150652

これは今季の野村の展示、「かなの美」に合わせた講義だったのでしょう。
展示はすべて流麗なかなの軸がずら〜り。

P1150653


万葉仮名あり、ひらがなとの混じり有り、純粋なひらがなだけのものあり、、、、
文字、墨の色、筆継ぎのあと、文字の配置、、、、そしてそれぞれの軸装、離れてみると美しい。

しかし!!

私には全然読めまへん!

もう○○切、、、という物の前へ立っただけで、無言のプレッシャーを感じて苦しくなるんです。

読まれへんかて、だれもバカにせえへんよ、、、とは思うのですが、なかなか矮小なプライドが邪魔をして、素直に楽しめないんですねえ。

さりとて、四辻さんの講義は古筆のどしろうとにもわかりやすく、こういうのを専門にされている方からすれば初歩の初歩を教えて下さる。

平安時代の初期、中期、後期にどのようにかなの好みが変遷していったか、どのような能筆家がいて、どのような作品が代表なのか。
いままで断片的にあった知識が時系列にそってすっきり整理できた感じです。

その時代はちょうど今の大河ドラマの時代をなぞっているようで、白河院やら鳥羽院やら、藤原摂関家の面々の名前がでてきて、ついその俳優さんの顔がうかんできたりして、、、


なかでも悪役ヅラの藤原忠通(忠実の長男の方)が法性寺流という、ねばっこい自体の仮名を書く能筆家とはねえ。
彼は、
白河院の阿弥陀堂供養の定文清書
待賢門院御願の寺院の額揮毫
美福門院御願の寺院の額揮毫

などなど、ああ、また俳優さんの顔がうかぶ[E:coldsweats01]


かなの作品の中での最高峰は高野切古今集だとか。

確かにいろいろならべられた作品の中では、(読めない)私ですら美しいと思います。

高野切は3人の能筆家の手になる物だそうですが、巻頭をかざる第一集その他を書いた第一種とよばれる人だけが不明なのだそうです。
でもこの方の字が一番好きかなあ。

ちなみに高野切という名前は秀吉により、一部が一時高野山に寄進されたからなんだそうです。

駆け足だった料紙について。
初期の頃は雲母砂子、やがて輸入唐紙、国産唐紙、むらご染、金銀箔散らしと手が込んでいき、どういう料紙かである程度時代がわかるのだそうです。

講座を聴いた後で再び、そういう視点から展示をみると、また興味深いものがあります。

なにより仮名の前に出ても、どきどきが少しましになったかも、、、??

<本日のおまけ>

一足早い桜が咲きました。




P1150654

京都三条寛永堂製。


posted by しぇる at 21:57| Comment(12) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする

2012年03月23日

天つ河よりこぼれきたる〜城南宮・枝垂れ梅

城南宮はずっとスルーしてました。交通の便がいまいちなので。

ほん近くのパルスプラザの京都アンティークフェアにはせっせと行くのにね。
(物欲、物欲)





P1020505
でもこの季節、枝垂れ梅がすばらしいと聞いて、デジイチぶら下げてGO!


P1020508

参道からしてもう美しい梅が満開。

P1020509

まずは本殿にお参り。

方角の災いを除く方除の神様として有名ですが、実は鳥羽のこのあたり、白河上皇が壮大な離宮を造営して院政を開始された場所だったんですね。(あ〜、NHK「平 清盛」見直そう)


P1150649

だからほんちかくに白河上皇の陵もあるのね。
(こんなところにあるとは知らなんだ!)


P1020510

なので菊の御紋が。


さて、神苑に一歩足をふみいれると、、、、


まあ〜〜〜〜[E:lovely]

雨にもかかわらず、夢のような景色が、、、

とくとご覧あれ。


P1020518
P1020519

なにかに似ている、、、何かに。
そうだ。
舞妓さんの花かんざし。


P1020521
P1020524

いづれの天(そら)より降りきつるものか。





P1020517
P1020522

枝垂れ桜の美しさはさることながら、梅がこのように艶やかで華やかであるとは。



P1020537
P1020523

天つ河よりこぼれきたるか。


P1020525
P1020526

また美しき、白梅の枝垂れ。


P1020529
P1020531

花の雨の下。
これなら濡れてみたい。


P1020535

艶やかな姐さん達の前で、ちょっとはずかしそうな少女の風情の紅梅。



P1020539

神苑では椿も盛り。
P1020538

地味だけれど、薮椿は好き。

P1020513

唐子咲きの日光(じっこう)椿。

P1020548

見ている合間にもほろほろと落ちる花。

ふ〜っ、、、
しばしの夢見心地でございました。

<付記>

P1020540

4月29日にはこちらでみやびな曲水の宴がおこなわれます。
posted by しぇる at 20:45| Comment(12) | TrackBack(0) | 京都めぐり2012 | 更新情報をチェックする

2012年03月21日

弘道館月釜〜五種の菓子の茶

P1150629


弘道館の月釜も今年度はこれでお仕舞いです。(あ、もちろん来年度も速攻申し込みましたが、、、[E:coldsweats01])




P1150628
毎回見ていたはずなのに、今回初めて気づいた!
玄関庭の灯籠は菊桐紋様だったんだ。
しかもきれいに苔むして[E:lovely]


さて、3月の月釜は「五種の菓子の茶」。

今でこそ茶会のお菓子はおいしく上品な上生菓子がいただけるわけですが、それも砂糖がふんだんに使えるようになった江戸中期以降のこと。

利休さんの時代にはお菓子は手作りの素朴な物で、柿や栗、麩の焼きなどであったことはご周知のとおり。

会記としては一番古い歴史のある松屋会記に記された菓子は、、、

柿、焼き栗、銀杏、金柑、棗、茅の実、クワイ、小芋、山芋、蓮の実、昆布、海苔、麩、椎茸、、、



P1150630

ところでお菓子の数は四ヵ伝で三種、行のお点前では五種、真では七種ですよね。

お稽古で五種や七種でるともう、口の中が甘甘で、はやくお茶もってこい!って気持ちになるのですが、実はその一つ一つの大きさに問題があったわけで、、、。


P1150631

これは今回のテーマ、大徳寺縁高に盛られた五種の菓子。
伝統的な五種盛だそうです。

一つ一つが小さくて、しかも甘い物ばかりでなく蒟蒻、椎茸がはいっているのです。
これなら五種でも楽勝。
そうか、そうだったのか。
これが本来の五種盛だったのね。





P1150637

薯蕷は五種の中に必ず入れる物だそうです。
お隣は金柑の甘煮。



P1150638

もう一つ、入れる約束が羊羹だそうで、これは小豆、柚子、肉桂の3色羊羹です。



P1150635

甘辛く炊いた蒟蒻と椎茸。
意外とこれがお茶に合うのです。
目からウロコ。


かつて武士=肉体労働者だったので、塩分のあるものが必要だったのではないか、という説もあるらしいです。(真偽のほどはしりませんが)


老松の太田さんは午前中大阪の方へお仕事だったようで、いつもの語りが聞けず残念でしたが、今回のお点前は太田さんをして「私を抜いた!」と言わしめた、天才肌の職人、老松の副社長さんでした。


床は幕末の頃の絵で、たくさんの猩々が浜辺で花見しながら宴会をしている様子を描いた物。
そうでなくても赤い髪、そうでなくてもお酒好き、、、の猩々の酒盛りって考えただけでも賑やかで楽しそう〜。

もう一つの床には芥川龍之介の「乳垂るる 妻となりつも 草の餅」。
う〜、、、、私も垂れとるが、、、、(あ、想像しないでね)


主茶碗が蓮月焼きだったのですが、茶碗に釘彫りされた蓮月の歌が、実は私が持っている蓮月の茶碗と同じだった!

「ひがしやま 春まつころの あさぼらけ かすみにひびく 鐘の音かな」

蓮月さんはひところ岡崎村に住んで、たくさんの蓮月焼き茶碗を作陶したとのこと。
わが家のある岡崎にちなんで購入したのです。

しかし、実は蓮月焼きほど偽物が多い茶碗はないといいます。
実際、自分の茶碗が本物かどうか全然わかりません。

でも、蓮月さんは有名になるにつれて、偽物でもそれが売れて作った人の日々の暮らしのたしになるならそれでよい、と思ったばかりか、偽物に直筆の釘彫りで歌をかいたりしたといいますから、こうなるとどこまでが本物で、どこまでが偽物やら。




P1150633

弘道館では旧暦のお雛様。
今回もたくさん勉強して帰りました。

あ、帰りにも一つ寄ったところ。

P1150640

弘道館月釜のあと恒例となりつつある、虎屋菓寮一条店。
いつも甘いお菓子ではなくて(これは弘道館で堪能してますし)、これ。
お赤飯セットどす。
むしやしないに調度よいのです。
posted by しぇる at 23:13| Comment(2) | TrackBack(0) | お茶と着物3 | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。