2011年12月12日

白沙村荘〜銀閣寺畔・関雪翁の夢の跡

観光客でにぎわう銀閣寺参道にありながら、一歩中へ入ると景色を独り占めできる(確率が高い)場所があります。

画家、橋本関雪翁が住まいとした白沙村荘がそれです。

P1020158

いつも前は通りすぎてしまうのですが、中へ入ったのはもう何十年ぶりでしょうか。

P1140366


紅葉の美しい季節でありながら、この宏大な(10000㎡)敷地内、ほとんど他の方をみかけませんでした。

P1020160
こちらは関雪翁が住居とした瑞米山と号する建物。

扁額がかかっていますが、漢文ゆえ、私にはさっぱり、、、、
関雪翁は漢籍への造詣が深かったそうですから、なるほどの扁額。

そういえば彼の絵画は中国の古典に題材をとったものが多いです。

P1020162

いったいどこのお寺かしら、、、と思うようなたたずまい、個人のお宅であったとは思えません。

敷地の東寄りには大きな池(芙蓉池)があるのですが、その池が見え隠れする道をいく趣向になっています。

P1020164

どんな侘び茶人がお住まいかしら、、、と思ってしまうような侘びた茅葺き門。

P1020166

視界がひらけると、池の向こうに関雪が、屏風など大型の作品を制作する場所であった存古楼。

内部は撮影できませんが、スコーンとなんにもない板張りの空間は、ちょっと体育館みたい。
絵を描くのに高い天井など、採光に工夫などあって、夏などは風邪が吹きぬける快適な空間であろうなあ、と思いました。
目の前は池、木々の緑、私のような凡夫でもなんだか画想がわいてきそうですわ。

こちらではクラシックのミニコンサートなどもひらかれると聞きました。
行ってみたいですね。

P1020176

当時、この銀閣寺参道あたりは田んぼが広がる田舎であったそうです。
ここに土を盛り、作庭、デザインもすべて関雪自身がされたとか。第1次完成が大正5年、以後順次土地を拡張していって、この広さになったそうです。


P1020177

さてもさても、野村得庵といい、藤田男爵といい、北村謹次郎といい、みなさんご自分で好みの庭を作る優れた才があったのですね、その財力に加えて。(うちらはどっちもないわ〜)







P1020172

四畳半茶室、問魚亭。
どちらかというと、待合いのような風情。

お茶をよくされたよね夫人のために、こちらには三つのお茶室がありましたが、残念なことに2年前、火事で憩寂庵と倚翠亭の二つの茶室が焼失してしまいました。
P1020171_2

けれども現在復旧工事がすすめられており、池の向こうに見えるビニールシートがその現場。
来年にはお披露目できるかもしれませんとのこと。


P1020175

太い竹の床柱。


P1020181

この庭には、お堂だってあるのです。
よね夫人の菩提を弔うために建てられたそうで、現在は関雪が蒐集した仏像のうち、鎌倉時代の地蔵尊がまつられています。

P1020183

お堂のまえにあった仏手柑。
もう、その季節か。

P1020184

また関雪は古い石造蒐集も熱心だったようで、平安時代の国東塔から鎌倉時代の板仏や五輪塔などあちこちにそれらが点在しているのですが、すごいのがこの鞍馬石の巨石、鬱勃縦横石(うつぼつじゅうおうせき)。

どこからもってきたんでしょうねえ。
繰り返しますが、石造物蒐集も、野村得庵、藤田男爵、北村謹次郎と共通しますわね。
そんなに惹かれるものがあるのでしょうかしら???



P1020186

池の奥にはこれまた蒐集物の羅漢さまたちが、ひっそりと。



P1020189

ここは嵯峨野あたりの廃寺かしら、、、いえいえ、一歩外に出ると観光客がいっぱいの場所なんです。


P1020190

東山を借景に、美しきかな。


P1020191

池にはこんなお客人も。


P1020192

改めて持仏堂をふりかえったところ。
墨染めの衣をまとった僧侶でもたっていたら絵になりますね。

最後に関雪の作品の展示室へ。
ここでは東北の旧家で発見された関雪の「赤壁の賦」の屏風一双がすばらしかった。

左双が蘇軾の赤壁の賦、右双がその風景を描いた絵(長江にに船をうかべて赤壁に遊ぶ、、、の図)。
(帰っておもわず赤壁の賦の復習をしましたわ)

こちらへ寄贈がきまっていたあとにあの震災、からくも難をのがれ、予定より早くこちらへ来たとか。
ほんとうに良かった。(この震災では多くの貴重な資料や古文書、美術品が失われたとききます)

さて、おなかがすいたら、白沙村荘の一部でもある、こちらのイタリアンレストランへ。




P1140361

NOANOAさんで、手打ちパスタランチを。
ここは私が学生の時からあるんですよ。


P1140362

つきあたりの洋風の建物は、関雪が西洋美術のコレクションを蔵するために作ったもので、これも有形文化財なんです。

さて、お腹が満たされたあとは、哲学の道をそぞろ歩いてお家へ帰ろう。

P1020199

さざんか、紅葉、、、


P1020197

イチョウ、、、(疏水の東側の道)


P1020195

そして、冬支度をすませた桜と、、、東山。

なんて美しい町なんだ、京都は。


posted by しぇる at 23:05| Comment(6) | TrackBack(0) | 京都めぐり1 | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。