2011年09月07日

料理「秦家」〜好日居・フェルメールによせる

台風は去ったとはいえ、しとしとじめじめの雨模様。

それでもちょっとご無沙汰していた友人達との集まりを料理「秦家」で。

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え?
秦家ってあの京都市有形文化財じゃなかった?
、、、と思われた方も多いと思いますが、秦さんちではお願いすると、めぐみさんが祖母様やお母上から伝えられてきた暮らしの知恵を生かした家庭料理を、一日限定一組で作ってくださるのです。
しかもあの文化財のお庭を眺めるお座敷で!




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玄関庭あたりの風情。
のれんの文字は「秦」の篆書体(隷書?どっち?)

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夏建具を透かしてみる坪庭。


こちらは和菓子の会や、笙の会などで何度かおじゃましたことがあるので、なんだか友人のお宅におじゃましているような錯覚をおぼえてしまいますわ。
しかも築140年の立派な表屋造りのお宅!
(秦さんのお家は元禄年間創業の薬種業で、昭和の終わり頃まで小児丸薬「太子山竒應丸」を作られていました。ちなみに太子山はこのあたりが祇園祭の太子山がでる場所、太子山町だからなんです)


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まあ、奥の座敷庭の緑の美しいこと。
雨に濡れる青楓の風情が一段と。

苔はこの暑さに少し焼けてしまいましたが、また涼しくなると青々と復活してくるんです、とめぐみさん。
もとはここには苔は無かったそうですが、周りにビルがたち、日陰になる時間が増えたために生えてきたとか。
初夏の候、伺った折には、それはそれは苔の緑が美しかったのですが、そういう由来だったのですね、いいようなわるいような。






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奥の間から次の間、坪庭をのぞむ。
床にしかれた簀、夏の建具、簾、、、、町家の夏の室礼はいいですね。

秦家では町家の暮らし体験会や親子体験会などもされていて、実際に夏の室礼、建具替えとか、お掃除とか、素麺流し、祗園囃子を聞きに行こう(で、吉田家へ)、お蔵の中で怪談の朗読とか、これは是非参加したい!というイベントがてんこもり!

特に親子体験会のイベントはやってみたいものばかり、、、、なんですが、あくまで小学生までのお子同伴でないとだめなんです[E:weep]
我が子はもう大人やし、孫はまだやし、、、、参加するためには、どこかで小学生調達しなあかんなあ、、、[E:coldsweats01]

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まだ、のぞいたことのないお蔵。


めぐみさんからこの家のこと、子供時代のこと、などの思い出話をお聞きする。
なかでも祇園祭の思い出は、そういう思い出があることがとてもうらやましい。

今でこそ秦家は太子山のお飾り所になっていますが、子供の頃は向かいの会所の奥の奥にあって、太子さんへのお参りがとってもこわかったんですって。
太子山は鉾町の西南のはしなので、昔は夜店もなく、床机に座って涼む町内の人しかいない静かな宵山だったそうです。
できればこれ以上観光化されて、昔の風情がなくなるのはいやだなあ、、、とおっしゃってました。
同感です。学生時代の祇園祭といまとではずいぶんかわりましたもの。(とはいえ私も観光客なんですが、、、、[E:coldsweats01])

(ちなみに今年はこの太子山の厄除けちまきを求めて飾っていますの。)



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さてさて、最初のお料理です。


左上のは大福豆。
豆嫌いの友人が、これあっさりしておいしい、食べられる!と絶賛。
刺身のけんも、こだわってご自分で作ってはるんです。


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おとふ(お豆腐)のあんかけ。
おだしも鰹節をそのたびに削ってひかはるそうです。
(うわ〜、まねできない。でも実家に鰹節削りあったなあ、、、と懐かしい)



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茄子の丸煮。
この、、この、、包丁の切れ込みの細かいことにみなさん感激。

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ついつい笑顔になりますね。

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鮎の塩焼きにすだちをぎゅっとしぼって。
付け合わせはパプリカ、キュウリのいためもの。

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これが私の一番のサプライズ。
ワカメと玉葱の一見酢の物にみえますが、ドレッシング和えなんです。
鮎を食べたあとのお口直しにとってもさわやかでした。

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ご飯についてきたこのどぼ漬け(京都ではぬか漬けをこう呼ぶらしい)がまたおいしくて。
ぬか漬けは自分でも何回かチャレンジしたけれど、寒くなるとだめになってました。(乳酸菌が働かない)
めぐみさんに伺うと、一夏楽しめればそれでいいので、毎年新しいぬか床をつくるとか。(このときビールを使うのがひけつだそうですよ)

な〜んだ、そうか、何年物、、、のぬか床にこだわる必要はないんだわ。

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いちじくのコンポートとアイスクリームは相性がいいんですね。

なんということもない家庭料理なのに、一手間かけてていねいに作るとこうおいしくなるのか。
どぼ漬けの切り口を見たら、包丁もしゅぱっとよく研いであるのもわかります。

私の料理なんて、所詮兼業主婦の超スピード手抜き料理ですので、反省すること多々です。
見習って、(たまには)ちゃんと手間と時間をかけて料理しよう!

というので、以前購入しためぐみさんのご本を家に帰って読み直しです。







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あ、まずは包丁をちゃんと研ごう。


そうこうするうちに、もうひとかた、このお家のあるじが、、、、



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御年12歳のムーンちゃん。
お客さんをちらっとチェックして、あたりを睥睨して、女王様の風格で去っていきました。

帰る間際には、、、、



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ミセの間で丸くくつろぐ女王様。

う〜ん、、、やっぱり町家には猫がよく似合う、、、、


秦家を辞したあとは、みなさまをご愛用の岡崎・好日居さんへご案内。


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好日居は一足お先の秋のようです。
玄関の吾亦紅。


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3人は薫り高い岩茶をいただきます。

そしてあとお一人は、「一人茶会・フェルメールに寄せて」のセット。

好日居は市立美術館のすぐ裏ですから、美術館で開催中の「フェルメールからのラブレター展」にちなんだメニューなんです。
どんなんかな〜、、、、


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こんなかわいいポットでサーブされる紅茶は中国紅茶・滇紅(てんこう)。
(カップはリモージュでした)

フェルメールの生きた時代のオランダ。
東インド会社が活躍していて、さかんに中国から茶葉をヨーロッパに輸入していた歴史にちなんで。

右の楊枝にさしてあるのは、チーズ(オランダのゴーダはチーズの名産地)、チョコレート(アムステルダムは世界のココア豆の約30%を加工している)、レーズン。
オランダ人がお茶請けに好みそうな物を。

そして今回私が初めて知った、オランダ・ゴーダ地方で誕生したストロープワッフル

最近までヨーロッパ雑貨のお店をされていて、なんども買い付けに渡欧されているI様は、さすがにご存じでした。

こんなふうにして食べるんですよ。







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こうしてお茶を入れたカップの上にのせておくと、ワッフルの間にはさんであるキャラメルシロップがとろりと溶けておいしいのです。

う〜ん、気分はフェルメールの時代のオランダ人。
こんなおしゃれな見立ての一人茶会、これがあるからここ、好きだわ[E:heart01]

みなさまこれで満足して、楽しくて優雅な1日はおひらきとなりました。


posted by しぇる at 20:00| Comment(6) | TrackBack(0) | 京のグルメ | 更新情報をチェックする

2011年09月05日

柳馬場通り〜京うちわ・阿以波〜菜根譚でランチ

「寺御幸麩屋富柳堺(てらごこふやとみやなぎさかい)、、、」で、やっと京都の南北の通りの名を(半分)覚えました。
(寺町、御幸町、麩屋町、富小路、柳馬場、堺町、、、)

この日は柳馬場(やなぎのばんば)通六角下ル、京うちわの老舗阿以波さんへ。


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今でこそ、きれいな透かし団扇で有名ですが、創業は元禄2年(!)、もともとは絵師による手描きや、木版による絵団扇を作っておられた老舗なんです。

先日お茶のお稽古に行きまして、床飾りが阿以波さんの木版の団扇だったので、「こんなのも作ってるんだ。」と思ったら、こっちの方が歴史が長い、、、と知ってびっくり。

団扇が実用としては使われなくなっていった時代に、透かし団扇を主力商品にしていったのは、先代〜当代なので、歴史は浅いにもかかわらず、いまでは立派な阿以波の代名詞になっているんですから、これは「ルソンの壺」もの、ですよ。
それもこれも、長い歴史と伝統の技を守ってこられた確かな技術あってこそですね。

お客さんが他におられなかったのをいいことに、あれこれ色々手にとってみせていただきました。
例の木版の団扇もありました。
大和絵のきれいな物で、それ1枚で70もの版木を使っているとか。
お値段も、、、10万円前後[E:coldsweats01]

透かしの団扇も、作家さんが作った胡粉の置き上げの菊だとか、螺鈿を使った秋の虫とか、紙に漆を塗って仕上げた物とか、兎を日本刺繍で刺したものとか、、、、、買う買わないに関わらず、女将さんの対応もとても感じが良くて、ついついあれこれと、、、、もうめいっぱい目の保養をさせていただきました。

ただの透かしだけではなかったんですねえ。
もう伝統工芸の粋を凝縮した美術工芸品、というべきでしょう。
手の込んだ物は10万以上しますし安くはないですが、美術品と思えば納得です。

本来のあおぐ目的の3000円くらいのかわいい団扇もありますよ。
(え〜、、、私は実用の団扇としてはビールの宣伝用のタダのものを使っとりますが、、、[E:coldsweats01])










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包装紙がまた良い感じ。
うちわ双六になっていて、上がりが「名代京うちわ江月堂」。

江月堂は七代目(現在は十代目)さんが大徳寺のお坊さんから賜った店名だったそうです。

さて、阿以波さんを出て、2〜3件北に行くとこんなお店が。


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菜根譚
この堂々たる町家にひかれてランチをここですることに決定。

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店を入ったところに立派な、しかも現役のおくどさんが!

もともとこれは通り庭にあったものを、実用にするために玄関の間へ移動したんだとか。
いまでも湯気を上げているところがうれしい。

何でもこの町家は築100年以上、なるべくよけいな手をいれないように改修したとのこと。

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階段の奥にはバンダジ(李朝家具が!)

古い町家の作りと、なんと李朝家具まで楽しめる(どちらもわたくしプチ・フリークなんですの)空間になっているではありませんか!
心の中でブラヴォーをさけびました。



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火袋もそのまんま[E:lovely](前からいっていますが、火袋フェチです)



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ちらりと見えた坪庭!


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おお〜!
ええ感じや〜!

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さすが鰻の寝床で、通された部屋は奥の奥の奥。
これはお隣との間の通り道かな。

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位置的には蔵だった部屋でしょうか。

この窓の格子がね、これ多分李朝時代の扉。

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こういうふうに、周りに板をつけたして、ドアにしてしまっているのもありですね。



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バンダジに鎮座する白磁。


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李朝の棚。

確信して李朝趣味を貫いているわね。
こういう手法はもしかして、、、と、思ったら、やはりこちら際(きわ)コーポレーションのプロデュースだったんだわ。

室町の膳處漢ぽっちりになんとなく雰囲気にているもの。

、、、、で、いつも肝心のお料理が最後になります[E:coldsweats01]






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菜根譚の日替わりランチ1200円。
右上の東坡肉がやわらかくておいしかった!まんなかのは茄子の田楽。
さすが菜根というだけあって、お野菜がふんだんにいただけるのがうれしい。

目もお腹も満足して家路につきました。
ほ〜[E:smile]
posted by しぇる at 22:32| Comment(4) | TrackBack(0) | 京都めぐり1 | 更新情報をチェックする

2011年09月03日

祗園で用事をすませたあとは

所用あって、祗園界隈へ。
用事をすませたあとはぶらぶら。

京都に住んでても意外と四条通のアーケードを歩く機会は少ないもの。
ものめずらしげにあちこちの店をのぞく私は、りっぱな”京都在住”観光客ですの。のほほほ、、、



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南側に仲源寺を発見。

目病み地蔵とも称されるこのお寺は、祇園祭の時、神輿洗い式のご神水を一時預かるお寺なんです。

まあ、それだけのことなんですけれど、、、
最近老眼もすすんでるし、お参りしとこ。

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有名なお茶屋さん、一力の犬矢来。

よく見ると、痛んだ物だけをとりかえているのね。
竹の色が新旧とりまぜ。
ここらも京都の始末、、ってやつかしら。


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そうそう、真夏に行って、すごい行列で諦めた鍵善さんのくづきり、食べておかねば。
この日は涼しくて、くづきり日和ではなかったのですが、それでもいいですねえ、この涼感は。

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東山縄手の、たる源さんの器ででてきます。
注文を聞いてから、葛粉から作るそうです。
黒蜜につけても旨し、そのままでも旨し。



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昔は虫籠窓のある厨子二階でいただいたのですが、いつのまにか1階が喫茶スペースになっているんですね。
お蔵の前の坪庭がいいかんじです。

こちら表の売店コーナーでは、黒田辰秋作(京大近くの進々堂のテーブル作った人ね)欅の拭漆のりっぱな棚があり、必見です。


さて、最後にこちら。



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芸妓さん、舞妓さん御用達の和装小物のお店、幾岡屋さん。

なんでも2代目さんが祗園の芸妓さんで、桂小五郎の奥さん、幾松姐さんと懇意だったため、「幾」の一字をもらったとか。
幕末創業だったんですね。

舞妓さんの髪飾りや、団扇、手ぬぐい、花名刺、紅などなどをあつかっておられます。

実は京都に住む前から、是非手に入れたいなあ、、と思っていた舞妓さんの大かんざしがあったのです。

ご存じのように月によって舞妓さんの髪飾りはかわるので、表のショーウインドウに飾ってあったのは、今月9月の「桔梗」かんざしでした。
その一つ前、8月のが欲しくて、、、、


これはなんだかわかります?



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正解は「すすき」。

旧暦で8月はもう秋ですからね。
12ヶ月のかんざしの中で唯一金属でできているので、頭に刺さる、と舞妓さんには評判悪いそうですが。


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横から見るとこんな感じ。
後ろについてる丸い部分はなんなのかしらね?

このシンプルな造形は他の花かんざしみたいにごちゃごちゃしていなくて、少し抽象的で、出色のデザインだと思うのですが。
他にもピンク色がかったのや、ラメがかったのもあって、参考までに、と見せて下さいました。

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で、こんなふうに頭の飾りに、、、、


おっとっと、、、
そうではなくて、、、(お目汚しスミマセン)



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本物のススキのかわりに玄関などに飾ろうと。
posted by しぇる at 20:00| Comment(12) | TrackBack(0) | 京都めぐり1 | 更新情報をチェックする
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